プラットフォームビジネスのビジネスモデルが鋭い会社をご紹介する。
あくまで独自解釈。真のビジネスモデルは、それを考えている人の頭の中にしかない。
- 三位一体ビジネス
- 強制視認ビジネス
- 買いやすさ追究ビジネス
- チョイ稼ぎビジネス
- 特許ビジネス
- カタログビジネス
- 名刺ビジネス
- 独自視点要約ビジネス
- 展示会ビジネス
- シナジービジネス
- 海外売買代行ビジネス
- 見える化ビジネス
- 結果にコミットビジネス
- 時短ビジネス
- データ以前の話
- ビジネスモデルをひらめく練習
三位一体ビジネス
定番はアップル。
『ソフト』、『ハード』、『仕組み』でビジネスモデルを構築。『ソフト』はアプリ、『ハード』はiphoneなど、『仕組み』はApp store(買う場所)。
この3つが強く連動している。
ソフトは、世界中の開発者によって創造される。移動履歴、購買履歴、健康履歴、睡眠履歴等、マーケティングで有益な情報が自動的に入ってくる。
あなたのビジネスをソフト、ハード、仕組みで再構築してみよう。
強制視認ビジネス
グーグルや旧フェイスブック等の広告ビジネスモデルである。
グーグルの「検索」、ユーチューブの「AI提案による受動視聴」、インスタの「タグる」等、要は、人の「見る時間」を集め広告で儲けるビジネスだ。
グーグルや旧フェイスブックが提供する「場」に全世界からの「視る行為」が集まる。
そして、広告収入で得られた利益で無料サービスを提供し顧客維持を図る。
有益なデータは、検索ワード、メール内容、写真、SNSで交わした会話等、マーケティングで必須な人の欲求をいち早く分析することができる。
人工知能は、そういったデータから個々に最適な商材やコンテンツを提供する。
ユーチューブ、インスタ等よりもお客さまの「視線」を集められるコンテンツを創造してみよう。
買いやすさ追究ビジネス
アマゾンのような形態である。アマゾンは買いやすい。コロナ禍もあり、多くの人がスマホで商品を買うようになった。
様々なコンテンツが溢れ、現代人は時間がない。商品を探すという時間すらもったいないと感じる人も多い。
買うという行為を徹底して簡略化したビジネスにチャンスあり。
ある意味、最強の問屋である。
同業他社より買いやすくする購買形態を創出しよう。
チョイ稼ぎビジネス
配車サービス『ウーバー』や、民泊の『エアビーアンドビー』や、貸会議室の『ティーケーピー』や、人材紹介の『クラウドワークス』『ランサーズ』などだ。カーシェアリングの『タイムズカープラス』も同じだ。
上記はすべて、余暇時間や休眠資産を活用した「チョイ稼ぎ」や、「稼働していない資産の有効活用」ビジネスだ。
例えば、民泊は、普段使われていない部屋を貸し出して儲けるビジネス。
クラウドビジネスも、余暇の有効活用だ。
このような「稼働率のゆとりの活用」は、まだまだ開拓する領域がたくさんある。
休眠資産で用途開発できそうなものを考えよう。
特許ビジネス
特許にケチつけて儲けるハゲタカビジネスもあるが、そうではなく、もっと本質的に特許を世のため人のために役立てようとするビジネス。
ある会社は残念ながら採算性で事業が軌道に乗らなかったようだが、特許ビジネスは採算さえ合えば、ブルーオーシャンだと考えている。
膨大な特許の中から人工知能で解析することで、特許となりえた発想法をビジネスのネタにもできそうだ。TRIZはそういうものだが、まだまだ一般的には使いにくい。
国が公開している情報を片っ端から調べ活用法を考えてみよう。
カタログビジネス
味気ないカタログが世にあふれているが、カタログは商材情報が豊富に載っている。
カタログは基本、無料で手に入る。イプロスは「カタログ」を原材料としてサービスを提供している。
カタログビジネスの本当のすごさをまだ多くの企業が気づいていない。
仮に、全世界の企業のカタログを集めたら何ができるか考えたことがあるだろうか?
全部と言わなくともよい。影響力ある企業のカタログだけでも世界中から集められるとすごいビジネスに変化する。
ディープラーニングで翻訳機能が飛躍的に進化している。海外の難解なカタログも容易に翻訳できる時代となる。
味気ないカタログを一工夫するだけで反応率の高い広告媒体に変化させられる。
また、お客が知りたいのにカタログには載っていない情報を追加することでカタログは進化する。
さらに、カタログを自社の製品だと見立てれば、それを独自に工夫することで最強のファブレス企業に生まれ変わるということだ。
無料で手に入るものを集め、一工夫することで生まれる新しい価値とは?
名刺ビジネス
企業のデータベースは、帝国データバンクや、東京商工リサーチなどが持っているが、名刺データの収集は難しい。
しかし、名刺管理という切り口から、優れたOCR技術と人海戦術と無料戦略で一気に名刺情報を集めたsansanのビジネスは鋭い。
名刺ビジネスは単にアナログの名刺をデータ化して整理するだけでなく、名刺そのものに価値が潜んでいいる。
たとえば、同じ人物の時系列情報はスカウト会社には有益な情報だろう。
ところで、グーグルのGメールは「署名」があるので、いつでもSANSANのようなビジネス展開ができそうにも思える。
この世に名刺がなかったらビジネスはどうなるか?を創造して名刺に変わる新たな価値を考えよう。
独自視点要約ビジネス
ニューズピックスのようなビジネスモデルだ。ニューズピックスは、記事に対するコメントに価値がある。それに気づいた企業は、コメントをコンテンツとして活用している。
記事すら読まず、コメントだけを読む人も多い。 理由は以下だ。
- ニュース記事の要約がわかる
- 記事の裏情報がわかる
- 客観的視点がわかる
- 多方面からの見方が得られる
- 偏見的な意見があぶり出される
- ニュースの本質がわかる
- うそ情報がわかる
コメントでは新聞記者が提供できない情報が得られる。裏情報がたっぷりだと読者も楽しい。
広告主に気を使う必要のないコンテンツは信頼を勝ち取る。体裁を装ったコンテンツはすぐに淘汰される。人は真実を求めている。
間違ったコメントがあれば、他の誰かが指摘をする。そうやって、一つの記事がコメントによって付加価値を生む。同時に読者は多面的に情報を見れ、判断力も増す。
コメントはコンテンツを進化させる無料のお客様の声と言える。
カスタマーの本音が聞ける場を作ろう。アンケート用紙も工夫してみよう。
展示会ビジネス
インターネットによって情報が簡単に手に入ると言えども、はやり、実際に見て触ってというニーズは強い。
情報が地理的に点在しているものが一同に集まるのが展示会だ。
訪問者にとっては交通費の削減と時間の短縮ができる。情報を網羅的に一か所で体感できるメリットは大きい。
展示会ビジネスの切り口は無限だ。業種は1万種あるといわれている。そうであれば、1万種類の展示会が開催されてもおかしくない。
「事前登録システム」から得られる情報はマーケティングに活用される。
今はコロナ禍で一時的に停滞しているが、伸びるビジネスだ。
一堂に会するとメリットがでるものを考えてみよう。
シナジービジネス
M&Aや事業承継だ。年収の高い企業ランキングで上位にでてくるM&A系の会社群。年収1500万前後はザラである。ニーズの高さを表している。
それだけ後継者不足でビジネスの出口に困っている経営者は多い。
そういった、ビジネスの売りたい、買いたい情報がM&A会社に集まっている。
M&A仲介会社も乱立してきたが、単に仲介するだけでなく、何かと何かを掛け合わせ新しい価値を創出できる「シナジービジネス」に今後は大きなチャンスがある。たとえば、巷にあるビジネスマッチングはおおざっぱ過ぎで効果が無い。
ビジネスマッチングの不満や課題を抽出して顧客視点で再構築すると大きく化けるだろう。
何と何を混ぜ合わせると付加価値が生まれるか?ビジネスにおける錬金術師(アルケミスト)をめざしてほしい。
『会社四季報業界地図』で、業界を掛け合わせて生まれる新発想を吟味しよう。
海外売買代行ビジネス
エニグモに代表されるビジネスモデルだ。海外に行かなくても、自分の代わりに商品を買って送ってくれるサービスだ。
目利きバイヤーという専門職もあり、基本的に有名どころはすでに大手が押さえてしまう。
しかし、大手は小回りが利かない。一般人を利用した人海戦術で、小回りが効く点で、まだまだ有効なビジネスだ。
ちなみに、このビジネスの本質は商品の売買ではなく、「自分の代理人が世界中にいるビジネス」という点だ。だから、何も、ファッションや物品だけにこだわる必要はない。
例えば、現場のビフォーアフターの施工写真をとってきてほしいニーズや、今、現場がどういう状態になっているか確認してほしいニーズなど、本人の手と足となってしてもらいたいニーズは世の中溢れている。それが、世界中で出来るということだ。
世界中の人が自分の手と足となってくれるなら、現地で何をしてほしい?
見える化ビジネス
見える化ビジネスとは、「見えない情報が事前に見えていたい」というニーズに応えるもの。
レビューと言えば、さくらレビューも多いが「さくらレビューの見える化」もビジネスになるだろう。
健康の関する見える化であれば次のようなものが考えられる。
カーボンニュートラルといわれる脱炭素社会では、二酸化炭素排出量の見える化などもニーズが強くなるだろう。
見える化してほしいニーズが強いのに、まだビジネスになっていないことは?
結果にコミットビジネス
結果にコミットビジネスとは「ライザップ」のような形態である。
ライザップといえば、ダイエットだが、ライザップのビジネスモデルの本質は、「短期間での結果のコミット」ビジネス。
CMでスリムに変身したビフォーアフターを最初に見た時は衝撃であったが、短期間に結果が求められるニーズはたくさんある。
たとえば、英会話のニーズは非常に高いが、数ヶ月で英語がペラペラになっているビフォーアフターも衝撃だろう。
その他、料理系、資格系、美容系、恋愛系など、いろいろありそうだ。
短期間で成果を出せるノウハウは誰がもっているか?
短期間で成果を出したいニーズは?
時短ビジネス
時は金なり。だから、時間を短縮させるビジネスに商機あり。
例えば、服選びに時間をかけたくない時は、エアークローゼットのようなサービスを。
食事ならボタン一つでできる調理器具。支払なら支払う行為を短くしたり、短縮するサービス。病院なら治療期間や診療時間、薬の服用期間、リハビリ期間等の時間短縮。睡眠なら即眠りにつけるツール。健康なら○○するだけでxxになるシリーズ。
美容なら化粧や髪の毛のセットが面倒というニーズがある。
時短ビジネス事例集を参照して、自社に関わる時短ビジネスを考えてみる。
データ以前の話
昨今は、ビックデータと言われ付加価値を出すためにデータが必要と考えられている。データサイエンティストも重宝されるだろう。
しかし、ビジネスモデルの創出は、データ以前の話だ。
データは人が行動して初めて得られるが、ビジネスモデルは、むしろ、創出したプラットフォームにデータが蓄積されていく。
データがないからビジネスモデルができないと考えるのではなく、無料で入手できるのに活用されていないデータを調べてみよう。
ビジネスモデルをひらめく練習
良質なビジネスモデルを思いつくためのヒントとして3つご紹介したい。少しでもお役に立てたなら幸いだ。
①大量のインプット
②なぜこうなんだ?と思う心
③もしもこうなっていたら?という空想力