シンプルイズベストと言われるが、その「シンプル」の背景には、複雑な思考過程がある。
知的労働社会では精度の高い思考力が求められる。
そこで、質のよいワンフレーズや、質のよい方針、質のよいxxxシーズにお役立ちできる考え方をしたい。
良質な思考術のイメージ図
簡単に説明すれば、まずはアイデアを広げ、一端抽象化し、そこで再度展開し、まとめる。
通常は、一旦広げた後にまとめて終わりだが、再度展開するところがポイントだ。
良質な思考法の説明
「1.具体例を出し切る」
ある課題に対して思い浮かぶことをリストアップする。
いわゆる「ブレーンストーミング」だ。
付箋でもメモ帳でもなんでも良い。
「なんでも」というと、何も浮かばない人がいる。
その場合は、初めから定型の思考ボックスを準備して当てはめていくとよい。
下記は定番だ。
オズボーンで参考になるHP↓
トリズTRIZ
トリーズ(TRIZ)の発明原理40 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考支援ツール
何百万の特許の考え方をまとめたモノだ。これを究めると、かなり質の良いMECEのアイデア出しができるだろう。
メモ術
良質なメモ術もセットでマスターしておくと相乗効果がある。
この作業を通して頭の中の思考を全部一旦出す。
たくさん出すためにも、普段から多種なことに好奇心を持って生活すると良い。
蛇足
*「何を課題とするか」は、アイデア出しよりも重要な問いである。
その際の良質な問いはそもそも解決すべき課題は何か?である。
「2.抽象化する」
2番目の抽象化する作業とは、出し切ったアイデアの本質部分を抜き取ってまとめる作業のことだ。
上位概念を探す作業とも言える。
上位概念とは、例えば、車、バイク、船、飛行機という具体物があったとしたとき、その上位概念は、「乗り物」である。
抽象化する際の効果的な自問自答フレーズ
- 「要するに一言で言えば何?」
- 「本質は何?」
この問いを時間をかけておこなってほしい。
付箋やメモをジャンルわけして、ジャンルをさらに抽象化して本質を一言でまとめてほしい。
「3.展開する」
「展開する」は一番初めの具体例を出し切る作業とは違う。
2番目で得られた本質な言葉から、具体的に思いつくだけの行動指針を書き出す作業だ。
この際は、1番目のあらゆるアイデアの中から、重要なモノを抜き取っているので、重要なアイデアに関する展開になる。
的確な例えが見つからないが、しいて言えば、ピザ生地をこねて(1) まとまりを作ってから(2)、引き伸ばす(3)イメージだ。
こねずに、いきなり生地を引き伸ばしても、安定感のある生地はできない。
「4.集約する」
最後に、集約するとは、書き出された行動指針から、限られた「資源」と「人」でできる、最大限に効果がでると仮説した1点に焦点を当てたキャッチフレーズを作り行動に移すことだ。
思考を一言で集約する参考本やブログ
人を動かすキャッチコピー 植草 貴哉 氏
とてもわかりやすい。ここに書かれた良質な思考法ができる人は少ないだろう。
ぜひ、練習を重ねてマスターしてもらいたい。
伝え方が9割は、ベストセラーであり、ロングセラーでもある。
人に伝えるという意味でも、自分の思考を整理するという意味でも、一読すると良い。
このように作り上げた概念は、それをしなかった「思いつき」のワンフレーズより何百倍もの威力をもったエネルギー体となっていく。
ドラゴンボールでいうところのかめはめ波や、仙豆三国志でいえば、関羽愛用の青龍偃月刀のような切れ味をもった言葉となる。
それらの言葉には、あなたの思考や理念がぎっしりと詰まっている。
ところで、仕事では、思いつきで指示をする上司や社長が多い。
みなさんは、ある上司から、「よし、xxやろう」と発言があった時は、いったん、そのxxが出てきたプロセスを確認するとよい。
一方、あなたが社長や上司ならば、熟考することなく、なんとなく閃いたアイデアで、多くの部下の働きを徒労に終わらせないよう注意されたい。
知的労働社会で成果を高める思考術 別バージョン
本文中のそもそも何を課題にするかを熟考する思考術の一つをご紹介したブログだ。参考にしてほしい。
ミルキヅク