会社の存在意義と働く目的

企業は不正義、非道徳、反社会的行為をしうる。

 

産地偽装、食品偽装。耐震偽装。会計偽装…。企業は偽装に満ちている。

 

偽装行為のもっともらしい言い訳で多いのが、以下のようなものだ。

  • 会社の利益のため
  • 会社の存続のため
  • 従業員に給与を払っていくため

そういったニュースが日々報道されると、「だから利益は悪だ」とか「会社って本当に必要なの?」と言われる。

 

はたして、企業の存在価値とは? 

 

企業の存在目的・存在価値とは? 

会社の存在理由を5つの視点から述べたい。

 

1.企業は利益追求のために存在する?

企業の目的で、典型的な回答が「利益追求」だ。会社は稼ぐためにあると主張される。株式会社ならば利益追求が当たり前だと言われる。一見正しそうに見えるが、果たしてどうか。

 

そもそも「利益とは何か?」利益とは付加価値の差にすぎない。

 

利益の大小を語る前に、利益に関係なく役割分担を果たす会社があることを忘れてはいけない。

 

そもそも利益を多く生みそうな製品・サービスを開発しても、買い手に購買力がなければ企業は利益を残せない。その購買力は通貨発行権を持っている機関にコントロールされている。

たとえば、世の中にAとBの二人しかいないとする。

世の中のお金の量は10万円だとする。

AとBはそれぞれ5万円持っているとする。

AがBのニーズを満たす製品を開発して5万円Bから得た。

Aはもっと儲かる製品を開発した。

しかしBはそれを買うお金がない。

結果Aは利益を得られない。

そう考えると、利益の獲得自体は企業の根本的な存続理由にはなりえない。   

 

2.企業は株主のために存在する?

会社は株主のために存在するという意見もある。一見正しいように見えるが、これも結果論だ。

 

企業は株主のためには働かない。資金提供は受けても、株主のためではない。株主としても、原則は、企業の理念を応援するために投資するのだ。

 

だから、理念にお金が集まるのだ。現に、クラウドファンディングでのお金の集まり方を見ても、株主のためではないことがわかる。結果、儲かれば、株主に還元されるだけだ。

  

3.企業は従業員一同の幸せのために存在する?

企業の目的は、従業員一同の幸せというのもある。これも結果論だ。そもそも、幸せの定義は人によって違う。社長の幸せの定義が従業員一同の幸せとは限らない。

 

経営者によくある「幸せの定義」が、稲盛和夫氏の哲学の一つの「物心の豊かさ」だ。

 

本当に物心の豊かさが幸せに繋がるのか、熟考しなければいけない。

  

会社は1人の人間から始まる。徐々に顧客が増え人を雇う。いつしか企業の目的が従業員の給与の支払いに変わると不正が起きやすくなる。

 

多くの経営者が抱えているジレンマだろう。

 

4.企業は顧客の創造のために存在する?

ピーター・ドラッカーは企業の目的の一つとして「顧客の創造」と言った。

 

顧客の創造とは、新しい顧客を継続して増やしていくことだとされるが、極論、その行きつく先は、世界1社帝国ということになるだろうか?

 

はたまた、新陳代謝を促すための顧客のニーズを満たす活動か。顧客のニーズはドラッカーいうところの「予期せぬ成功、失敗」等の裏にあるとされている。

 

5.企業の目的は社会貢献

企業の目的は社会貢献という意見もある。すなわち、世のため、人のため。

 

この世は役割分担の果し合い。創意工夫を繰り返し、地球環境を守りながら生活を豊かにしていくために企業は存在する。

 

企業体として役割分担を果たした方が、個人単独でやるよりも合理性がある。しっくりきやすい意見だ。

 

企業の存在意義は一人の人間の理念

企業は一人の人間からスタートする。

 

お客のニーズに応えるとお客が増えていく。お客が増えると一人では手が回らなくなる。そして、人を雇う。そうやって一人二人と増え、企業は大きくなっていく。

 

企業は集合体に見えるが、そこには、一人一人の想いがある。

 

企業は、各自の理念を実現する受け皿にすぎない。

 

会社は社長の理念が直接反映される。どんな大企業でも社長の想いが90%影響を与える。

 

社長の想いが込められていない企業は、ただの箱にすぎない。

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