販促用のチラシやDMは、観ているだけで勉強になる。
ターゲットが幅広いチラシの反応率は0.01~0.1%ぐらいと言われているが、ターゲットが明確に定められたDMの反応率はどのくらいだろう。
1%~3%ぐらいあれば良い方だと推測している。
例外として、20%~50%の反応率もあるが、ターゲットが的確で、キャッチコピーが優れている場合だ。
しかし、ごく稀だ。
反応率の低い販促物の特徴
さて、会社に届く、心に突き刺さらないDMを見るとわかることがある。
- 売り主目線
- キャッチが無かったり、アピール項目が多い
- 「うまい、やすい、はやい」
1.売り主目線になっている
BtoCの広告は、さすがによく研究されたものが多いが、B2Bの広告は、ほとんど売り主目線のキャッチコピーだ。
心に突き刺さらないキャッチコピーが多い。
当事者の心の奥底まで研究されていないからだろう。
上司から指示され、イヤイヤ作ったDMか、他人事のように作っているからだろう。
だから、覇気のない、ぼやけたDMが、BtoBではとても多い。
BtoCでは、広告費は命だ。真剣に、一文字一文字を考える。
2.キャッチが無かったり、アピール項目が多すぎ
BtoBの広告には、キャッチコピーが無いモノさえある。
無いというより、目に入ってこないものが多い。
目に入らない理由は、アピール項目が多すぎるからだ。
いろいろな効能や利点を列挙しすぎて、どれも目に入らないのだ。
目に入らないものは、即、ゴミ箱行だ。
まさか、「1項目ずつ読んでくれる」と思っていたら、大間違いだ。
あなたが実際DMをどう処理しているか自省してほしい。同じ動きをする。
何を訴えたいのかわからないチラシは、即ゴミ箱行だ。
キャッチコピーは、ターゲット顧客の一番の関心事であろう1つを推測して、厳選して抜き取ると良い。
チラシの目的は、まず目に留めてもらうことだ。
3.「うまい、やすい、はやい」のどれかが強調されている。
センスの無いDMは、「うまい、やすい、はやい」が登場する。
典型的なキャッチだが、それらは、ざっくりQCDのアピールだ。
顧客心理の深堀が足りない。
「やすい、うまい、はやい」という牛丼のキャッチに、あまりに多くの人が洗脳されてしまっているのではと推測している。
そのキャッチは、簡単で、わかりやすいのだが、その言葉自体では、薄っぺらい主張になるだけだ。
心に突き刺さらない。
反応率の高い販促チラシにするために
反応率を高める販促物のフォーマットをお伝えしたい。
1.ニーズの高いターゲットに向けた
2.買い手目線で課題解決のプロセスがイメージできる提案
1.ニーズの高いターゲットに向けた
1-1顧客イメージを明確に
売りたい顧客を明確にイメージしないと、良いキャッチは生まれない。
また、質のよいターゲットリストを得るためのアンテナも立たない。
1-2ターゲットリストを安く入手する
名簿会社は数多く存在する。また工業会会員名簿も良い。Facebook広告も使われるようになってきた。客単価が低い商品サービスでは、いかに、安い費用で顧客から引き合いをもらうかがポイントになる。
リスト値段もピンきりだ。
同じような内容の名簿なのに、見積もりを取ると価格差が3倍違う時もある。
よく研究してほしい。
1-3テストマーケティング
ターゲットのリストが多すぎる時は、全体の10%で、テストマーケティングを行ってみると良い。
全体でやると、そのテストマーケティングの反応率とほぼ同じような数字が出てくるだろう。
時期や郵送物の配送曜日によっても差がでる。
DMは敏感だ。
2.課題解決のプロセスがイメージできる
ターゲットを明確にし、リストが準備できたら、チラシづくりだ。
反応率を上げるために、一つの例として、以下の流れで作ってほしい。
2-1課題の推測
まず、顧客目線に立って、課題をリストアップする。
できるだけたくさんだ。
その中で、1番心に突き刺さりそうな課題を、1つだけピックアップする。
2-2その課題が解決されない理由
次に、なぜ、その課題がいままで解決されてないのかをリストアップする。
その中で、多くの顧客の気持ちを言い当てていると思われるものを2,3点抜き取り、文章に組み込む。
2-3解決策の提案
抽出した課題に対する解決策を提案し、それを導入すると未来がどうなるか示す。
2-4実例
わかりやすくイラストや実際の写真で短く紹介する。
動画を使う時も同様。90秒以内にする。
2-5アクションを促すフレーズ
最後に、「問い合わせ」を促すフレーズを入れる。
特典や、期間限定を使った促し方もあるが、しっかり商品サービスメリットが伝わっていれば、「期間限定」も「特典」もいらない。
煽ったり、釣ったりしないほうが、信頼性は増す。
製品サービスが伝わった時に大事なのは、「申し込みのしやすさ」だ。
携帯、ファックス、ハガキ、ウェブなどいろいろな注文媒体はあるが、お客の立場を考えて、購入手段を準備すると良い。
「携帯」からの注文ならば、入力項目の少なさや、入力のしやすさ、見やすさである。
「ファックス」ならば、書き込む項目のわかりやすさや、ファックス番号の大きさや、番号が紙の上下のどちらに配置されているかなどだ。
「ハガキ」なら、往復ハガキの活用などだ。
以上まとめると、
【キャッチ】突き刺さるワンフレーズ
xxxxxxxxxxxxxxxx
【本文】
xxで困っていませんか?
↓
でも、xxが問題で手が付けられていませんか?
↓
そこで、xxを提案します。
↓
そうすると、xxxになります。
↓
実際に、xxな感じです。
↓
興味がありましたら、お問い合わせください。
以上、反応率の高いチラシづくりで参考になれば幸いだ。
蛇足
反応率の高いチラシそれ自体は価値があるとして、そもそも、一人あたりの客単価が安すぎるものは、DMには適さない。
ミルキヅク