【最終更新日 2016年12月24日】
経済学では、「人材」、「金」、「土地」が付加価値を生む要素になっているが、「金」と「土地」は、本質ではない。
たしかに、投資による利益や、土地からの収益は、現実的にある。
お金が貯蓄できたら、投資で悠々暮らす人も多い。
しかし、世の中がAとBしかいないと仮定して考えるとわかりやすいが、「お金」や「土地」そのものは、付加価値を生まない。
たとえば、AがBに対して「お金の提供する」行為や、土地を使用させる行為自体では付加価値を生まない。
現実に付加価値が創出されるのは、実際に体や頭や手を動かして物事を作った時だ。
ここに、付加価値の本質がある。
つまり、お金や土地をどれだけ持っていても、その主体が、頭や体を使って汗をかかなければ、本質的な価値は生み出されていない。
マヤカシの付加価値
一方、BはAから金や土地を提供されたからこそ付加価値活動ができたのだと、Aのお金や土地を価値あるものと捉える人もいる。
しかし、そもそも、「金」は人が作った概念で、「土地」は、もともと、自然から無料で提供されたものだ。
土地に所有という「権利概念」を持ち込んだのも人間の勝手な都合だ。
本質ではない。自然の摂理は、人間の勝手な都合を認めない。
Aの所有しているお金や土地に付加価値があるのではなく、Aがそれらを所有するにいたった付加価値活動に意義がある。
「お金」や「土地」があるからといって、付加価値活動を止めてはいけない。
お金や土地の前に、人間がそこに存在している
当たり前のことを経営者は忘れやすいが、「人」が存在するからこそ、家庭があり、社会があり、国があり、経済があるのだ。
昨今、人を軽視した経済活動や利益追求活動が横行している。
世の中を本当の意味で動かす社長は特に「人材」という部分を突き詰めてほしいと思う。
何のために事業を行うかという目的は社長によって様々だが、本質論を見誤ると、足元をすくわれる。
かならず、しっぺ返しを食らう。
多くの社長が従業員の生活の安定と向上のために一生懸命頑張っているのも確かだ。一方で年間多くの人が社長になっていくが、原理原則を無視した経営で多くの人間が傷ついている。
社長の責任は重大だ。尊敬する先輩は「絶対的な倫理観が必要だ」と言った。
ぜひ、「人間」の本質を熟考した経営で邁進されたい。
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ミルキヅク