【第14回】生きる目的『理念実現書作成セミナー』

人生でつらいことがあると、生きる目的を考える。「何のために生きているんだろう」と。

 

一見すると、素晴らしい問いであるが、人生の誘惑の一つであり、その問いは現実逃避の言い訳で使われている場合が多い。その誘惑で現実の問題から逃げないよう、生きる目的を腹に落とし込んでおくことは大事だ。

 

 「人は何のために生きているか?」誰もが一度は頭をよぎる命題だ。 

 

 

「人はなぜ生きるのか?」:よくある回答

上記の問いの、典型的な答えは以下のとおりだ。

 

  1. 人に愛を届けるため
  2. 人生を楽しむため
  3. 宇宙の進化発展に貢献するため
  4. 地球環境を維持するため
  5. 自分の一生を悔いなく生きるため

 

また、ある人は、「生まれてくることに目的などない。そんなことを考える暇があったら、働け!」という。しかし、人類はそう遠くない未来において、働かなくても生きていける時代に入る。労働から解放された人間はこの命題を真剣に考えるだろうか?

 

 

「人は何のために生きているか」を問う前に、それを考えるきっかけとなった出来事を冷静に分析すると良い。大概、次のことで頭がいっぱいの時だ。

 

  • つらすぎる体験
  • 生活苦
  • 裏切り
  • 虚無感
  • 孤独感
  • 大失敗した時

  

つまり落ち込んだ時に「人は何のために生きているか」を問いやすい。そして、この問いの答えが見つかれば、心が解放されると思っている。

 

 

 

現実逃避の言い訳!?

しかし、多くの場合、この命題は現実逃避の言い訳として使用されている。議論がすり替わっている。例えば、失恋した人に再び良縁があると、悩みは消え去る。

   

ビジネスで倒産しそうなダメージを受けたり、詐欺にあっても、粘り強くやり続けると、ビジネスが好転する。不断の努力で問題が解決されることは多々ある。「人は何のために生きているか?」の命題は、現実逃避の言い訳として乱用されている。

 

 

 

永遠に死なないジレンマ

今後、人類は技術進化により「死」を克服する。 「人は何のために生きているか」の問いは、人が死ぬことを前提で議論される。死があるから死生観を説く書簡があったり、「今を生きろ!」の標題が出てくる。

 

しかし、不老不死を手にした瞬間、議論の前提条件が変わる。そうかといって、人間は不老不死によって生きる目的の問いを回避できるかと言えばむしろ逆で、今よりも、真剣に考えなければいけなくなるだろう。

 

 

人は何のために生きているかの回答

人間の立ち位置から考えてみたい。

 

人間は、「食物連鎖」の頂点に位置する。人は他の生命を譲り受けて生かされている。その生かされた命をどのように使うべきかを、第1回目からお伝えしている。次の3つがポイントだ。

 

  1. 役割分担を果たす
  2. 進化のために
  3. 相互尊重のために

 

それらを純粋な本心に基づいて生きることが与えられた命を生かす責務だ。

 

 

 

1.役割分担を果たす

一つ目が、自分以外の者に対する無条件の奉仕だ。役割分担を果たすと言い換えてもよい。食物連鎖の本質は弱肉強食ではなく共存共栄だ。

 

弱いから強いモノに食われるのではない。強いモノを生かすために、弱くなっているのだ。この本質を理解している人は少ない。名作アニメのあんぱんまんで、主人公のアンパンマンの顔が食べられるが、これは、無条件の奉仕の意味が込められていると推測している。

 

アンパンマンの歌詞は哲学的だ。子供のマンガと侮るなかれ。「人は何のために生きているか」のヒントになるキーワードにあふれている。 やさしさ、笑顔、勇気、愛、奉仕…

  

 

3.技術や心の進化のために命を使う

人は技術を常に進化させている。日進月歩。今は、火星に行く技術を確立するまでになっている。また、「心」も同時に進化させている。詳しいお話は後の回で行う。

 

 

3.互いを尊重するために命を使う

最後に、相互尊重だ。人にはいろいろなタイプがあり、考え方も千差万別だ。そもそも正義は相対的な概念だ。時代によって、正しさは変わる。

 

たとえ、好き嫌いがあっても、とりあえず、すべてまとめて「尊重する」という姿勢が原点である。そして、相互尊重の本質は自分を見つめる行為である。こちらも後の回で詳しく説明していく。

   

「我々は何のために生きているか?」という一見尊い自問自答は、実は、エゴから発生する傲慢な問いであって、自然の摂理を越えた一人よがりな議論なのかもしれない。人間以外の動物は、そもそも「何のために生きているか?」など考えない。人間も自然の摂理の中で生きている動物だ。

  

 

何のために生きているか?の問いが頭をよぎった人へ

生きる目的を考える上で、ミルキヅクはケビンカーターの今にも死にゆく少女「ハゲワシと少女」が心の原点にある。

 

世の中では、地獄の底で這いつくばってでも必死で生きている人がいる。「何のために生きているか?」などと悠長な問いをしている暇などないほど日々の生活に忙殺されている人が大勢いる。体が不自由なのに笑顔で世のため人のために生きている人が大勢いる。大震災で、一瞬にして全てを無くした人もいる。 

 

ましてや、五体満足で空腹でもないのに「何のために生きているか?」と悠長に問う時間があって、まだ力が残っているならば、力尽きるまでチャレンジしてみると良い。世のため人のために全部やりきったのなら、あとは野となれ山となれだ。結果は、因果応報のルールを作った神のみぞ知る事だ。努力が因果に沿っていれば実を結ぶ。

 

何のために生きるかを問う前に、全力でやりきる理念を定めるのが理念実現書である。

 

 『理念実現書作成セミナー全40回』

【第1回】理念実現書の全体像

 

【第2回】なぜ理念が必要か?

 

【第3回】人間が持つ潜在力

 

【第4回】我々の役割

 

【第5回】あなたにとって真に大切なもの

 

【第6回】人類の未来

 

【第7回】幸せとは?

 

【第8回】お金とは?お金の本質について

 

【第9回】お金の哲学

 

【第10回】運とは?

 

【第11回】働く目的とは?会社の目的

 

【第12回】命とは?人生一度の解釈

 

【第13回】死とは?永遠の命と死の恐怖

 

【第14回】生きる目的

 

【第15回】人間とロボットの違い

 

【第16回】真に価値ある情報とは?

 

【第17回】なぜ人は進化すべきか?

 

【第18回】心の進化

 

【第19回】技術の進化~未来を制御

 

【第20回】技術の進化~占いに頼らない

 

【第21回】技術の進化~社長の仕事

 

【第22回】技術の進化~独自の趣味

 

【第23回】技術の進化~頭の整理と情報整理術

 

【第24回】技術の進化~アイデア発想術

 

【第25回】相互尊重の本当の意味

 

【第26回】自分を見つめる~怒りのコントロール法

 

【第27回】我とは何ぞや~本心に従う

 

【第28回】時に支配されない理念

 

【第29回】価値観を変えたもの

 

【第30回】目標設定と理念設定の違い

 

【第31回】欲の見える化・好きリスト

 

【第32回】理念の探し方

 

【第33回】理念を磨く3つの視点

 

【第34回】進化とは?本質的なニーズを満たす

 

【第35回】やりたいこと探しの罠

 

【第36回】効果的に理念を磨く

 

【第37回】理念を守る

 

【第38回】理念を行動に落とし込む

 

【第39回】理念に生きた人

 

【第40回】理念実現書を始める

 

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