前回はミルキヅクが追究している技術として『理念の深堀』と『社長の仕事』について説明した。理念実現書作成セミナーで理念がわかってくると、独立開業の気持ちが芽生えるかもしれない。また本業とは別のモノがやりたくなるかもしれない。しかし、独立する前に実行してほしい事がある。
独自の趣味の追求
それは『独自の趣味』の追求だ。これは、年収1000万円以上得られるような独自の趣味を追究することである。
利点は様々ある。
- リスクなく独立開業の本気度を確認できる
- 「一つ」を究める過程にある独自の発見と気づきを得られる
- オンリーワン、№1になることの意味がわかる
- 定年後も人から強く必要とされる
- ビジネスの障壁を体験できる
年収1,000万円とは?
年収1,000万円は、全労働人口の5パーセントぐらいだ。一見難しいそうに見える。しかし、そんなことは無い。まず1000万円を12か月で割ってみよう。月83万円だ。あなたの独自の趣味に熱狂的なファンを100人世界中から集めてみよう。8,400円程度の月謝で年収1,000万円だ。
独自の趣味は、ただの趣味の追求ではない。100人から8,400円の月謝がもらえるレベルだ。趣味自体が希少でニッチなら10人から84,000円の月謝でもよい。1,000人熱狂的ファンが集められそうならば840円の月謝でも良い。
弁護士の顧問料で月10万もらう人は多い。仮に1社年間120万ならば、そういった会社を8~9社程得られるスキルと言い換えても良い。
「独自の趣味」の見つけ方の5つのヒント
- なんだか楽しくて、時間を忘れて没頭できるもの
- 常になぜと思うこと
- 自分だけが気が付いているもの
- なんでそんな簡単なことができないの?と思う対象物
- 昔はできるとも思っていなかったのに、できるようになったもの
独自の趣味の4つのメリット
- 人生の深み
- 仕事との相乗効果がでる
- 本を出版できる
- もう一つの肩書きができる
この世は役割分担の果し合い。各自の理念に従い、役割を果たし、共存共栄していく社会。そして、この『独自の趣味』は、それを練習するための上品な椅子取りゲームだ。椅子(役割分担)は全員に用意されている。ただ座れる椅子は一つだけ。それを見つける練習だ。
ニッチ戦略というビジネスの練習でもある。実際に独立すると必ず競争相手が現れる。自分が決めた立ち位置が正しく、独自の趣味に集中された戦力を注がれると競争相手は現れない。一方で中途半端な趣味だとすぐに真似され競争相手が現れる。そういったことを客観的にリスクなく観察、体験できる。それが独立への予行演習にもなる。成功するにはどのくらいの情熱が必要かがわかる。
『独自の趣味』を究めるには時間が必要
独自の趣味で熱狂的ファンを得るには技術習得に時間が必要だ。1万時間でセミプロ、3万時間でプロ、5万時間で達人級だ。例えば、弁護士に受かる平均学習時間は1万時間。1日9時間勉強を3年ぐらいだ。3万時間というのは、弁護士になって10年ぐらいの経験だ。このレベルになると月謝8400円は余裕だろう。
3万時間をどう捻出するか?
さて、では、どうやって3万時間を捻出できるか?サラリーマンの平均労働時間を週40時間としよう。まったく同じ時間を独自の趣味に充てる生活をイメージしてみよう。
1年は50週あるので、50週x40時間=2000時間
30,000時間 ÷ 2,000時間 = 15年。
独自の趣味で年収1000万になるのは15年後だ。大学を卒業して23歳から仕事を始めると、38歳ごろから年収1,000万円得られるスキルを身に着けていることになる。
では、実際に40時間確保できるか?まず、週末の土日は10時間ずつで20時間確保する。残りの20時間は、仕事がある週日5日で分けると1日4時間だ。1日4時間は次のように確保できる。朝の2時間、夜の1時間、隙間時間で1時間だ。
具体的には朝6時に起きて8時まで学習。仕事から帰って休んで夜の9時から1時間。たったそれだけだ。隙間時間もたくさんある。お風呂、歯磨き中、散歩中、食事中、移動中、トイレなどで1時間は確保できる。隙間時間は特に暗記系や簡単に行えるモノが良い。朝は思考系で夜は想像力を使った創作系が良いだろう。
この努力すらできなければ、そもそも独立しない方がよい。無謀に独立してもすぐにダメになるだろう。起業して、5年で85%が失敗。10年で94%が失敗するという統計がある。10年続く会社が少ない事実を観察しても無謀な独立が多すぎるのがわかる。中小企業庁が提供する「企業の生存率」によれば、10年で3割、20年で5割が退出するらしい。
特に家庭がある人は、『独自の趣味』は独立開業前の実践的な練習となる。
実際の経営はもっと厳しい。想定外がたくさん起きる。だから、理念が力強く根付いていないと、逆境に勝てない。独自の趣味は、独立開業せず年収1,000万円めざす楽しいビジネス練習だ。これから副業が当たり前の時代になるだろう。
労働者全員は年収1,000万になれない
余談であるが、GDPが1000兆円を超えない限り、購買力に限界があるので、独自の趣味で労働者全員が1000万円を超えることは想定しずらい。
ミルキヅクは、本当に熱意を持ってやる人は0.01%と考えている。日本では1万人ぐらいだ。各県で200人ぐらいの人たちだ。業種も1万程度あると言われている。それぞれの業種でトップになるような努力ができる人たちだ。
「独自の趣味」の例
ミルキヅクの場合
ミルキヅクの独自の趣味の一つは、既存事業の延長線上も含めた儲かるビジネスの切り口だ。やっていて楽しい。この1枚の表だけで100億円以上のビジネスを思いつく人は多いだろう。
ソニーの盛田氏の場合
次のような話をテレビで聞いた時、これは「独自の趣味」になると感じた。
会った人すべてに恋人のように話かける by ソニー盛田氏
盛田氏が意識した行動指針のようであったが、このトーク技術を究めると「究極の説得力」や「究極の人心術」というセミナーを開催できる。そういったニーズは、かなりある。ニッチで独自だ。
独自の趣味の例
独自の趣味についてイメージしやすいよう、切り口を紹介したい。
- 過去の解釈をすべてプラスにする達人になる
- 学生が一番勉強に集中できる環境づくりの達人
- エコノミーでの長時間フライトを快適に過ごす達人
- 世の中の不便を見つけ出し、業界ごとに仕分けし提供する達人
- 個々に合わせて最も効果的なダイエット法を提案する達人
少し考えるだけでも、無限の切り口がありそうだ。1つを究めていく過程に多くの発見がある。1つは万物に通じる。イチローが野球を究める話と、経営者が経営を究める話しと、一般人が独自の趣味を極めていく話しは同じだ。行き着く先は同じである。
時間は無いようでたくさんある。知的労働社会では仕事がプロジェクト化し専門化する。仕事の多様性と柔軟性が求めれる。むしろ副業できていることが有能であることを示す証拠になる。
『独自の趣味』は本業をしながら1つを究める練習だ。自分の理念に基づく仕事1本で勝負する前の練習にもなる。セミナーでは『独自の趣味』で1,000万円構想を各自考えてもらう。
『理念実現書作成セミナー全40回』