【最終更新日2017年4月27日】
アマゾンが、NYの一部地域のプライム会員に対して、1時間以内の配送サービスを行うようだ。
一見、すごいと思うが、果たして本当にそうだろうか?
Youtubeの広告動画は、スキップできるまで5秒待たなければいけない。
本題を早く見たい人にとって5秒は長い。
ところで、「パシリ」という言葉がある。
このサービスをパシリに置き換えると面白い。
先輩:「おい、あのパン買ってきて」
パシリ:「はい、わかりました!先輩」
……1時間後
パシリ:「買ってきましたー。」
先輩:「おそいよ!」
さて、後輩は1時間で買ってきたが、遅い!と言われた。
それは、先輩の今食べたいという期待に答えられなかったからだ。
なぜ、アマゾンの1時間以内の配送がすばらしくて、上記のパンはダメなのだろう?
QCDの「D」=納期の本質
ビジネスではQCDという概念がある。
Dはデリバリーで納期の事だが、「早く」というニーズのことだと思っている人が大半だ。
しかし、正確な考え方は、納期が遅いとか、早いではなく、「お客様が欲しいと思ったその瞬間にお客様の手元にあること」だ。
上記のパンの例では、先輩があのパン買ってきてと言った瞬間に、後輩の右手から、「はい、どうぞ」と渡せることが、究極の「D」だ。
そういう意味では、統計的手法から「お客様のほしいと思うであろう瞬間」を予想して、それに合わせて配送するアマゾンの考え方は的を得ているようにも思える。
ただし、この考え方が役に立つのは、本質的には受注事業の商品のみだ。
事業の2つの体質
牟田学著者の社長業の中で、事業には2つの体質があることが説明されている。
社長の必読本だ。ぜひ読んで理解してほしい。
参考までに
「喉から手が出るほどほしい」を追求する見込事業では、売り主が納期の主導権を握っている。
「1時間で届ける競争」に巻き込まれていない商品は、世の中たくさんある。
たとえば、「フェラーリ」は完全に売り主が納期をコントロールしている。
また、ピカソ、ゴッホ的な商材には、トヨタ式の改善もいらないし、納期で急ぎもあり得ない。
1.自分しかできず、かつ、2.ニーズが存在し、かつ、3.それを買う購買力が買い手にある場合は、完全に売り主が納期の主導権を得る。
そういった視点で、アマゾンの当日配達の対象物はどちらかと言えば一般品が多い。
日常品から完全に差別化されていないモノが多い。書店で売っている本など、特にそうだ。
だから、売り主は、急がなくてはいけないのだ。他でも買えてしまうから。
大が小に勝つ必殺技 理念実現書
アマゾンを恐ろしい競合相手と捉えている会社も多いが、抜け道はたくさんある。
アマゾンの配送サービスに対抗するには、オリジナリティーある見込事業の商品に挑戦することだ。
お客様が喉から欲しいと思う商材を作る人には、必ず、哲学や理念がある。
理念無き者に、納期をお客様に支配されないブランド品は作れない。
ミルキヅクが理念が重要だと主張し、理念実現書を指導するのもそのためである。
あなたの理念を深堀するツールだ。参考にしてほしい。
ミルキヅク