honesty is the best policy
「正直は最善の策」
という諺がある。
ビジネスでは、正直な人は案外少ない。
足元を見る社長
相手に知識がないとわかると、足元を見る人がいる。
勉強していないものが悪いのだと。
しかし、相手に知識が増えてくると「騙された」とわかる。
その怨念が浮遊する。
次の仕事はもっと素直な社長の会社へということになる。
ずる賢い社長
一方で、一見、素直に見えても、裏の裏まで読んで、狡猾に策を練る、社長や営業マンも多い。
特に、経営者は、他人に負けまいと、人の意見は聞かない。
独裁・独断が多い。
人の意見を聞かないから成功することもある。なぜなら、社長以上に情報を集め、四六時中考えている人はいないので、自分の意見が一番だと思うのも当然だ。
中途半端なアドバイスなど、耳には入らない。
「素直」は、ある意味、経営者・社長の資質の正反対の価値観ともいえる。
ではなぜ、松下幸之助は「素直さ」が最大の武器になると考えたのか。
素直がゆえに、騙されることもあるのに。
社長が素直であることのメリット
素直でなければ、可愛がられない
素直で無ければ、次のお声がかからない。
お声がかからないということは、よい情報が入ってこない。
良い情報が入らなければ、仕事で優位なポジションに立てない。
素直でなければ、 情報を間違って解釈してしまう
素直でなければ、100の情報がマイナス100の意味や、50の価値しか汲み取れないことがある。
情報が正しく解釈されなければ、コミュニケーションに障害がでる。
正しく対話ができなければ、建設的な意見交換はできない。
「固定概念」と「素直さ」は連動する。
頑固さは情報の質を変えてしまう。
「素直さ」は相手に対する敬意
自分の意見の正しさを主張して相手に認めさせるために「言わなければよかった…」と後悔した社長は多いはずだ。
論破が目的になってしまったからだ。
なぜそうなるかと言えば、相手に対する敬意が無いのだ。
感性豊かな社長は、すぐに気づき、素直になる。素直になると、必然と相手に対する敬意が現れる。
相手も、それを感じ取る。自分の能力が不十分でも、なんとしても、自分をわかってくれたこの人のために頑張ろうという気持ちになる。
社長が素直であると言うことは、邪念からの解放である。
素直じゃないから可愛い?
一方、 素直じゃないから可愛いという猫派の意見もあるが、基本、ビジネスでは素直が一番だ。
素直であるだけで、お声がかかる。
特に、年上の先輩社長は素直な社長が好きなのだ。
なぜなら、頑固な社長は、自分の意見が正しいと思っている。素直な社長はそのアドバイスをちゃんと受け入れてくれる。それが嬉しいのだ。だから、次の仕事がどんどん入ってくるのだ。
「素直が最強の武器」だと気づいてしまった社長の会社は、上昇気流に乗って経営が好転していく。
「素直」という哲学は奥が深い
「素直」には、奥深い哲学が潜んでいる。
素直とは、自分のコンプレックスと向き合う行為でもある。
素直とは、自分の価値観を押し付けない行為でもある。
素直とは、相手に過度に期待しない行為でもある。
上記の3つの視点は、こちらの怒りの要素であるが、これらをコントロールすることは素直さの獲得にも繋がる。
怒りのコントロール・アンガーマネジメントと「素直さ」の習得
まさに、素直さの獲得方法は奥義である。
自分の心を見つめ、沸き起こる感情を整理、分析し、素直さを獲得してほしい。
なぜ、松下幸之助が自分自身の戒めとして、素直になることを言い続けたのか、こちらの本も参考にしてほしい。
ミルキヅク