社内根回しが足りずに日の目を見なかったアイデアはたくさんある。
世の中には、大きく化けるアイデアが各所に潜んでいるのに、それをつぶしたり、そもそもその重要性に気付けない組織が蔓延している。
「それは、アイデアが悪いのだ」と言ってしまえばそれまでだが、そうとも言えない。
業界の外にいる人は、通例や常識に捉われていない分、自由な発想ができる。時に、そういった発想から生み出されるアイデアは業界を破壊したりもする。
アイデアに敏感に反応して即実行できるフットワークの軽い会社が、あっと言う間に保守的な業界を飲み込んでしまうことも多々ある。
そこで、どんな組織でも、アイデアが通りやすくする方法を1つ提案したい。
社内営業の上手な会社は共感を得る方法を熟知している
基本的に「業界」や「組織」というものは、アイデアを受け入れる勇気や決断力がないのかもしれない。
営業マンであれば共感いただけると思うが、外に対する販売行為ですら大変なのに、良い案が浮かんだ時に、まずは社内を説得しなければいけないことは大変な作業だ。
個人が思いついた潜在力あるアイデアの本質を組織が理解していないと、個人は組織に失望するか、見限って独立する。
しかし、独立して一から会社を興すのも大変だ。
説得すべき顧客は2ついる
そうであれば、営業マンは、はじめから2つの顧客がいると考えた方が良い。
「社内のお客」と「社外のお客」だ。
「社内のお客」とは、稟議をとったり、許可を得る上司の事であるが、その説得術は社外のお客を獲得する時と同レベルに考えた方が良い。
社内の人ならこのアイデアのすごさをわかってくれるだろうという甘えが、アイデアを腐らせてしまう。
そこで、良いアイデアが出て何としても世に広めたいと思った時は、社内を味方につけるためにも、「共感トーク」や「下から目線のコーチング手法」をマスタしていただきたい。
相手にアイデアの重要性を気が付いてもらう作戦だ。
アイデアのすごさを説明するやり方ではない。気づかせるやり方だ。
下から目線の社内根回しコーチング質問法の説明
ステップ1 気づかせる
- xxで困っていませんか? (同僚や上司の困り事を提示してみる)
- xxという思いこみありませんか?(同僚や上司の固定観念を外す問い)
- なぜxxをするのでしょうね~? ←やわらかくお尋ねしてみる
ステップ2 考えさせる
仮にこんなアイデアがあったとしたら、どうやればよいと思いますか?
ステップ3 想像させる
それが実現すると、会社とか世の中とかどうなりますかね~?
以上の質問をぶつけて、感触をつかんでほしい。
また、対話しながら本人も気づいていない意見もたくさんでてくるだろう。
この方法がうまくいかないならば、アイデアが良くないか、まだ時期ではないのかもしれない。
自分に答えがあっても、それをあえて言わず、質問形式で、アイデアについて一緒になって考えてもらう(共感トーク)ことで社内の多くの人を仲間につけることができる。
共感トークや社内根回し法をマスターすると営業トークも鋭くなる
さまざまな利害関係やしがらみがたくさんある「組織」。
そのどろどろした組織から顔を出したアイデアは何とも可愛い。
利害関係が調整されていないとアイデアは前進しないので、社内根回し法をマスターすることは、営業トークを磨く以上に大事だと言える。
社内根回しは大変な作業だが、テストマーケティングの前のテストだともいえる。
社内の同僚や上司や社長への説得術がうまくなるほど、営業トークも比例的に磨かれていることに気が付くだろう。
以上、 社内で自分の意見が通らないと悩んでいる社会人のヒントになれば幸いだ。
ミルキヅク