SWOT、3C、ボトルネック、パレートの法則、限界効用逓減の法則、ハロー効果など、いかにも、コンサルタントが使いそうな言葉を並び立てて、従業員に説明してもほとんど伝わらない。
伝わっていなければ、それは何も言っていないに等しい。
しかし、そういった言葉で無配慮に説明してくる人はまだまだ多い。
これからも、そういった傾向にある人は減らないだろう。
だからこそ、シンプルでわかりやすい言葉力を身に着けることが大事だ。
それが上手な人が、田中角栄だ。
彼は、誰が聞いてもわかる言葉で話しかける。
心理を良く理解していないと、伝わる言葉は見つからない。偉大な政治家でもあり、心理学者以上に人心術に長けていた。
今のようにせわしい時代には、「要は、xxx」と、1フレーズでまとめる力だ重要だ。
たとえば、こんなところでも役に立つ。
本を読んで内容を覚えていない人も多いと思うが、読み終わったら、「要は、この本はxxxだ。」とまとめておくと、記憶に残りやすい。
田中角栄は、どんな難しい事でも3つの簡易な文でまとめられないものはないと言っていたそうだ。
たしかにそう思う。
世の中は複雑そうでシンプルだ。結婚式で教会で誓いを述べる際にも、3語以上のモノは少ない。
認知心理学者ジョージミラーのマジックナンバー±7によれば、人は7つまで短期記憶できるらしいが、実際は、3つぐらいだろう。
現在のように、スマホやコンピューターに頼って脳の記憶部分が退化している時代では、3つフレーズの暗記でも難しいかもしれない。
要点を絞って話すことは、相手に対する気遣いである。
また、問題に対してどれほど熟考したかを表すバロメーターである。
熟考していないと、説明が長くなる。
良く考えた人は、わかりやすいシンプルな言葉で的を射て話す。
それがいわゆるキャッチフレーズだ。
そもそも、問題を深堀していなければ、3つの簡単な文でまとめることができない。
「相手にとって本当に大事な情報は何か?」を熟考することは、相手に対する気遣いでもある。
要は、わかりやすい言葉とは、相手に対する気遣いだ。
情報化社会でインプットが膨大に増え、アウトプットの時間が減っている。
アウトプットには思考が必要だ。
情報が簡単に入る時代において、「思考」自体が苦痛な人も多い。
しかし、簡易明瞭な説明は熟考の証であり、アウトプットの成果である。
by Julie Falk on Flickr
ミルキヅク