「企業の最大のコストは社長の頭の中」
と松井証券の松井道夫社長のセミナーで習った。確かにその通りだ。名言だ。
トンチンカンな社長の指示は、多くの社員を振り回す。
占い師に頼る経営者も多い。
社長は秀才ばかりでない。情報が少ない中、決断しなければいけない。
だから、占い師に頼る気持ちもわかる。
社長は、ある意味、無謀でなければできない面もある。
勇敢と無謀は紙一重だが、ビジネスは行動しなければ始まらない。
社長の頭脳レベルは、60点~80点ぐらいの、「中の上」が多い。
だから、本当に頭の良い従業員から見れば、社長のトチンカンな指示はモチベーションを下げる原因となる。
社長は「世の中全体の動き」を感じ取るべし。
社長は、できるだけ情報を見聞きすべきである。
本屋に行ったら、ビジネスコーナーだけでなく、できるだけたくさんのジャンルの本や雑誌のタイトルや見出しを読むだけでも、時代の大きな流れや未来に乗り遅れない。
正しい判断ができる。
情報はあらゆる視点から熟考する技術を身に着けたい。
ロングセラー本や、成功している社長の考え方を押さたい。
社長は「現場」を知らなければいけない。
現場に出ない社長の指示は、的外れであることが多い。
また、現場にでて初めて実行部隊の心の奥底が理解できるようになる。
基本的には、営業日報からの報告でよいが、自分が疑問に思った時には現場に行くべきだ。そして、とことん観察して真の情報を得るべきだ。
疑問に思えるのも、現場に何度も足を運んでいるからだ。
営業マンは、全ての情報を報告しない。
むしろ、都合の悪い情報は隠す。それが人間の心理だ。
知っていてもあえて報告できない。社長は裸の王様にならないために、現場に出るとよい。
社長は「コストダウン」の意味を理解すべし
コストと言えば、コストダウンをイメージ社長が9割だ。
しかし、それでは、成果はでない。
ピーター・ドラッカーのコスト概念をよく勉強してほしい。
一般的なコストダウンも大事だが、投資額をいかに最大化するかという視点が重要だ。
コストダウンとは、無駄の削減ではなく、機会投資の最適化の事だ。
仕入先を必要以上に叩いて稼ぐ社長は、はっきり言って、無能だ。
共存共栄という自然の摂理からも外れている。
それで残った利益や内部留保には、仕入先の怨念がたくさん詰まっている。
もちろん、努力しないほうが悪いと言えばそれまでだが、自然の摂理にそのような正義はない。
社長は何に投資すべきか?
さて、投資を最大にするために、まずは、実際に投資を最大にしている社長の考え方をまとめてみた。
下記はミルキヅクの独自解釈だ。
最適投資をしている会社
孫正義/ソフトバンク
50年先ぐらいを見越してお金が動く業界のプラットフォームビジネスの先取り。
- アリババ
- ARM
- One Web
キーエンス
高価な商材の無駄をコンサル営業で省き、顧客のニーズにコア部分に特化してカスタマイズし、大量の前受注で安く作り、高く販売する。
イーロンマスク
お金が大きく動く業界かつ競争が緩いところを狙う
- 銀行(paypal)
- 宇宙
フェイスブック
SNSからの広告(人の視るという時間の最大化)
グーグル
検索からの広告(人の視るという時間の最大化)
アップル
「ソフト」「ハード」「受け皿」の三位一体サービスで儲け続ける仕組み。
例えば、ソフトはアプリ ハードはアイフォン、受け皿はi-tuneだ。
それぞれ会社のキーポイントを現業のビジネスに当てはめて考えてみてほしい。
社長は構想力を磨くべし
社長は上記のように構想力を学んでほしい。
構想力とは、戦略、戦術よりも高次の概念だ。
構想力と戦略の重みづけは、8:2である。
構想力とは、安定して儲け続ける仕組みのことだ。
社長は戦略戦術を磨くべし
よい構想力ができたら、次が戦略、戦術だ。
戦術は営業部やマーケティング部に任せてもよいが、ほとんどの中小企業では社長がすべきだ。
戦略とは、「誰に」と「何を」を決める作業。簡単なようで奥が深い。
多くの会社のチラシやDMやダイレクトメールを見ると、「誰に」が全然熟考されていないことがわかる。
戦術とは、具体的な売り方だ。よく研究してほしい。
社長は時間管理を徹底すべし
社長は、最大限に成果を出す上記の事柄を常に考えていなければいけない。
一日は24時間だ。ちゃんとした睡眠と食事を確保すると、残りは14時間ぐらいだ。
長いようで14時間はあっという間だ。
成果に繋がらないことは、一旦やめて、時間を確保してほしい。
取捨選択する時の自問自答の参考例だ。
- 自分の命が後1年ならば、これをするか?
- 今自分のしていることは、理念に合致しているか?
- 各自の役割分担の果たすための「強み」を磨いていることになるか?
社長は体調管理を徹底すべし
体調が悪いと、切れ味のよい思考はできない。
また、軽快なフットワークや観察力が無くなり、5感から入る情報が減り、現場感覚が鈍くなる。
常に頭がクリアな時間を増やすために、睡眠の徹底、食事管理、運動管理を行ってほしい。
寝ることすら、仕事だ。プロフェッショナルは、良質な睡眠のための工夫もする。
しかし、ビジネスではまだまだお酒の席で人間関係を深めて仕事をもらうパターンが多い。
社長の肝臓がやられている。お客さまと飲む行為が、従業員全員の汗と努力を最大限の成果へ結びつけるものならよいが、無意味な飲み会はしない方がよい。
徹底的に、世のため、人のためになる製品サービスで勝負すべきだ。
いずれにせよ、アントニオ猪木が言うとおり、「元気があれば何でもできる」
社長は、いつも元気でいてほしい。
社長の柔らかい笑顔は、会社の雰囲気を明るくする。
まとめ
「一番のコストは社長の頭の中」について書いた。
従業員お努力と汗を一滴でも無駄にしないよう、社長が汗をかき、頼りにされる指示を出してほしいと思う。
社長は思考時間が長いので、従業員からは誤解されやすいポジションにいる。
「社長は何もしていない。一体何をしているのだろう」と。
そして、その熟考から考え抜かれた構想力や戦略が、成果の8割以上を占めることを理解してくれる従業員は少ない。
だから、社長は孤独だ。孤独にならざるを得ないのだ。
成果とは「粗利益を増やす」ことだ。
日本の社長は、必ずしも優秀な知能の持ち主ばかりではないが、頑張っている。
指示を間違えてもよい。
朝令暮改でも良い。
完璧な人はいない。
しかし、少なくとも、自らの判断と指示内容が大きな影響力を与えることをよく認識して、全身丸ごと社長で、毎日を過ごしてほしいと願う。
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ミルキヅク