ビジネスのポジショニング研究!アマゾン、ジャパネット、C CHANNEL比較

アマゾンの躍進が止まらない。アマゾンは『顧客は常に正しい』という哲学で利益のほとんどを投資に回している。

 

アマゾンの強みの一つが、商品点数だ。「本」からスタートし、2017年現在では2億点以上の商品を取り扱っているようだ。そして、もう一つの強みが『購買行為の最適化』である。「購買」という日常生活の行為のほとんどをアマゾンのシステムを通して行いたいと考えている人は多いはずだ。

 

それほど、アマゾンの購買機能は便利であり、アマゾンもその利便性を徹底的に追求している。

 

 

 

アマゾンとは差別化された会社

アマゾンは世界を制覇しそうだが、アマゾンとは差別化されたビジネスを行っているのがジャパネットだ。

 

ジャパネットの商品点数は1000点以下と雑誌のインタビューで読んだ。それだけ少ない商品点数でも売り上げが1000億円以上もある。単純に1商品1億円以上だ。これを仮にアマゾンに当てはめると、2億点 x 1億円 = 2京円となる。

 

そしてもう一つの鋭い会社がLINEの前社長の森川氏が立ち上げたC CHANNELだ。それぞれ、アマゾンとの差別化ポイントを考えてみた。

 

 

 

「商品数」と「説明の詳細度」

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まず、商品点数と製品説明の詳細度の縦横軸で比較してみた。

 

念の為だが、これらの解釈はすべて独自解釈であり、事実を紹介しているものではないのでご注意願いたい。ミルキヅクが伝えたいのは、縦横軸の活用でポジショニングを練習することだ。

 

ビジネスは最初の立ち位置でその後の成果の大半が決まってしまう。特に社長はビジネスを始める前に、立ち位置を研究することが大事だ。

 

Cチャンネルの2017年現在の商品点数はアマゾンには及ばないが、きっと、これから増えていくに違いない。今は女性向けという切り口から入っているが、ちょうどアマゾンが「本」から入った切り口と同じで、これから大きく横展開していくと予想している。それは、C CHANNELが何を最適化しようとしているを研究すれば理解できるはずだ。

 

一方、ジャパネットは、アマゾンと違い商品の説明が鋭い。徹底的にこだわって紹介している。見ていると引き込まれ思わず買いたくなる時がある。声のトーン、テンポ、アピールポイント、疑似体験、購買の後押しなど、バランスよく散りばめられている。これらはジャパネットが長年かけて積み上げてきた強みであり、なかなか他社にはマネできない。

 

  

 

購買の段階から分析

アマゾンは『購買行為の最適化』が特徴だが、ジャパネットやCチャンネルは何を最適化しているだろうか?

 

人の購買行為をざっくり分けると、下記のようになる。

 

認知→検討→決定

 

すると、次のように仮説してみた。

 

決定時の最適化がアマゾン

検討時の最適化がジャパネット 

認知時の最適化がCチャンネル

 

CCHANNELの森川社長も始めは買うつもりがない顧客の購買欲を育てる視点にポイントを置いている。

 

 

 

「こだわり度」と「購買欲」

別の縦横軸でいろいろ見てみよう。次は、こだわりの強さと、購買欲だ。

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購買欲とは、「すでに買うことを決めているのか、そうでないのか」という視点だ。

 

本が典型例で、どんな本を買うか決めている人は書店よりもアマゾンでさくっと買う人が多い。本は品質的にどれも同じで、こだわりが低いからだ。逆に、Cチャンネルのポイントが「購買欲を育てることの最適化」だと仮定すると、上記の縦横軸で、左下と左上がねらい目だろうか。

 

 

 

「検索性」と「こだわり度」

検索性とこだわりについても比較してみた。アマゾンの検索性は優れているように見えるが実はまだ穴がある。こだわりの低い人が、探している商品に最短距離で到達し購入するには、商品点数が多すぎて混乱をきたしている時がある。

それは今後解決されるだろう。新たなビジネスのねらい目は右上だ。アマゾンよりも検索性が優れていて、こだわり派のニーズを満たすネット販売だ。

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「検索性」と「購買欲」

検索性と購買欲についても穴がある。まったく買う気がなかった閲覧者が、買う気になって、かつ、検索性がアマゾンより良い場合だ。Cチャンネルは検索性を突出させ、下記表の左上を狙っているだろうか?いや、きっと、Cチャンネルは「検索」の精度より、デパートに用事もなく来る顧客のニーズを満たす「購買欲の最適化」を目指しているだろう。検索の鋭さは、グーグルやアマゾンが強いので、そこで勝負は挑まないはずだ。

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真実の商品を売る

 アマゾン、ジャパネット、Cチャンネルと勝手な解釈で記事を書いているが、そのどれもがまだできていないことは、「真実」を売る事だ。

 

真実とは本物のことであり、本物の意味については下記のブログで紹介している。

 

mirukizuku.hatenablog.jp

 

今後、ネット上で最強になるのは、購買行為の最適化もそうだが、それ以上に、「真実の最適化」だ。うさん臭い商材や、誇張しすぎた商材が溢れ、購買者は、そういった不真実にうんざりしている。

 

真実の製品サービスを販売する時のもう一つの視点が、それが本当に真実であることを顧客が判断できることである。たとえば、ある化粧水が本当に無害で、シミを無くしますと謳い、それが真実であった場合、その真実を真実として判断してもらえる「何か」が必要になる。

 

 

 

真実性と様々なバリエーション 

上下軸に商品の真実性を、左右に様々な要素を入れてみた。どんなところにビジネスチャンスがあるか検討してほしい。

 

 

「真実性」と「こだわり度」

下記は、本当に真実の製品を販売するケースだ。例えば、「痩せるxx」という商品があるが、そうならないエセ商品が圧倒的に多い。そうではなく、本当に痩せる製品の事だ。そういった真実ある製品は、こだわりが低い人にも、こだわる人にも売れるはずであるが、まず、こだわりが低い層に売れていくだろう。

 

例えば、アマゾンで評価の高いランキング1位の化粧水があったとする。一方、あるネット通販で、シミや肝斑やシワが本当にとれる真実の商品を扱っていたらそちらから購入する可能性が高い。アマゾンがPBでそういう化粧水を作ってしまう可能性も高い。『顧客は常に正しい』を徹底すると「真実の追求」は包含される。

 

需要が高いのに、うさん臭い商品が蔓延している分野から研究開発を進めるかもしれない。

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「真実性」と「説明の詳細度」 

下記は、ある製品が真実であると仮定して、商品をどこまで詳しく説明するかである。ジャパネットのように詳細に説明しなくとも、真実は真実だ。それが真実だと分かれば、2回目からの説明は不要になる。たとえば、副作用が全くなく、ある特定のガンが消える薬があったとする。それが本当だった場合、その真実が理解してもらえればリピートになる。リピータ-には詳しい商品説明はいらない。そのリピーターが信頼できる人ならば、影響力の強いインフルエンサーとなり、新規の顧客に対しても詳細な説明は不要になる。

 

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「真実性」と「データ量」

第三次人工知能ブームだが、人工知能はいわゆる機械学習の延長であり、データが重要だ。だから、アマゾンも、グーグルも、フェイスブックも、データを大切にしている。ポイントカードも、データ収集の戦術だ。

ところで、真実性ある製品・サービスには大量のデータは必ずしも必要ではないのかもしれない。1つのデータで真実にたどり着けば、顧客の行動に関係なく、購買される可能性が高い。それほど真実の製品は強い。これを見た人はこんな商品も見ています的なアプローチもいらない。目的を達成する真実が目の前にあれば、データは少なくて済むのだ。

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「真実性」と「購買欲」

 真実の製品は本物である。情報が真実なことと、それを人が信じるかは、話しが別だ。世の中は、うそなのに真実のごとく語られている情報で溢れている。購買者は困惑し、警戒している。買う予定の無い人にどうやって真実を伝えるか。各種、評価もお金で買えるようになっている。世論操作も4000万円強あれば可能と、ある雑誌に書いてあった。真実の伝え方が一番上手な会社はどこだろうか?そして、真実の商品を作っている一番の会社はどこにあるだろうか?

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以上2017年8月19日現在、上記は自分の仮説としてまとめているものだ。特定の会社名も出しているが、縦横軸の当てはめも独自解釈であり正誤を伝えたものではない。頭のトレーニング用にすぎない。むしろ縦横軸を活用し皆様のビジネスのヒントになればと思っている。

 

アマゾンもジャパネットもC CHANNELも言うまでもなく素晴らしい会社だ。

 

下記は縦横軸と9x9のマトリックスをドッキングさせたものだ。ぜひ活用されたい。

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 マトリックスを作る時は、こちらの本を参考にするとさらに鋭いビジネスモデルを構築できるだろう。

「なるほど、その手があったか! 」が量産できる “ひらめき"の作法

  

 

 

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