加速度とは

微分・積分は、変化がある時、その変化を、どの次元で見ているかの話。

 

マイナス1次元から0次元への積分の話は以前した。

 

マイナス1次元は反比例の形をしていた。

補足: x^{-1}=\frac{1}{x}



 

ではマイナス2次元は何か?

 

加速度である。

 

え?

 

実は、加速度、速度、距離という言葉は、どの次元で変化を捉えているかの差に過ぎない。

 

加速度、速度、距離が同じだって?

 

では説明を続けたい。

 

 

物が動くとは?

目の前に一つの点がある。

 

その点が右に動いた。

 

0次元の点が、右に動いて1次元の線になった。

 

つまり点は積分によって次元が1つ上がった。

 

では、なにで積分されたのか?

 

「時間」である。

 

時間が進んだから、点が進んだ。

 

時間が変化しないと、点も変化しない。

 

点に動きが発生したなら、その過程にいて、加速度、速度、距離が発生している。

 

 

 

さて、加速度、速度、距離の概念を説明する前に、一般に速度や加速度という場合、「平均の」という形容詞が抜けている。

 

たとえば、時速60kmとは、1時間に60km進む平均の速度になる。

 

0秒目からいきなり時速60kmは出せない。

 

速度とは距離÷時間である。

 

つまり、速度とは1時間あたりに進む距離である。

 

では、時速60kmが出せた要素は何か?

 

それが加速度である。

 

だから速度えると書いてある。

 

 

 

距離とは?

では距離とは何か?

 

速度x時間である。

 

つまり、速度に時間という性質を付与すると距離になる。

 

ものが動くとは距離のことであり、距離とは、加速度に始まり、それが速度となって生じたものである。

 

だから、加速度がなければ距離は発生しない。

 

 

加速度は力?

では、加速度とは何か?

 

それは、力の一部である。

 

 

力は物を移動させる。

 

たとえば、リンゴを手から放すと落ちる。

リンゴは下に落ちるという移動をした。

 

移動したので、リンゴには力が加わった。

 

 

リンゴは速度を上げながら落ちていく。

 

速度が上がっていくとは、力が加えられ続けているということ。

 

 

リンゴに加わった力とは、地球の引力。

 

質量あるもの、すべて引力を持つ。すなわち万有引力。

 

余談:人間も質量があるので、かすかに引力を持つ。人は時に惹かれ合い、近づきすぎると反発する。磁石のようだ。

 

 

力が働かない無重力空間ではリンゴは落ちていかない。

 

実際、無重力空間でリンゴに力を加えずそっと離すと静止している。

 

 

今度は力を加えて投げてみる。

 

するとリンゴは手を離れるまでスピードを上げながら移動する。

 

 

手を離れた後は力が加えられない。

だから速度は変わらない。

 

手を離れたリンゴは、一定の速度で移動している。

 

摩擦抵抗が0の宇宙空間では、速度は一定。

慣性の法則と呼ばれる。

 

 

 

手から離れているので力は加えられていない。

 

力が加えられていなくても移動はしている。

 

よって、速度は物が移動する直接の原因ではない。

 

 

しかし、移動する物には速度がある。

 

その速度を発生させた力が加速度。

 

したがって、加速度が移動の直接的な原因である。

 

 

「加速度が増す」とは、力が増えることであり、それは速度を変化させる。速度を変化させるので物が動く。

 

 

 

速度とは?

速度=距離÷時間

 

速度は距離を時間で割ったもの。

 

距離をm、時間をtとすると、速度vの単位は \frac{m}{t}なる。

速度はvelocity(ベロシティ)=

 

 

 

割り算とは分数であり、分数とは比であり、比とは傾きであり、傾きとは分母に対する分子の変化量である。

 

つまり速度の公式 \frac{m}{t}は、「時間の変化」に対する「距離の変化」を表している。

 

傾きが一定とは速度が一定であることを意味する。

 

分子である距離mが0ならば、速度は0。

 

速度が0なら、力は加えられていない

 

 \frac{0}{t}。0÷何かは0。

 

つまり加速度0である。

 

 

 

加速度とは?

一方、分子である距離mが0でなければ、加速度という力が発生したことを意味する。

 

加速度という力が発生したから速度が生まれる。

 

 

そして力の(加速度)入れ具合によって、時間あたりの速度は変化する。

 

 

よって、加速度は以下の式で表される。

 

加速度=速度÷時間。

 

 \dfrac{\dfrac{m}{t}\text(速度)}{t\text(時間)}

 

 

つまり、「時間の変化」に対する「速度の変化」が加速度である。

加速度とは

「時間の変化」に対する「速度の変化」

 

 

 

加速度の単位 \frac{m}{t^{2}}って何?

通常、教科書で説明している加速度aの単位は、 \frac{m}{t^{2}}であるが、これだと意味がわからない。

加速度はacceleration(アクセラレーション)のa

 

なぜ距離を t^{2}で割ると加速度になるのか?

まったく、イメージがつかない。

 

 t^{2}とは何なのか?

 

 \dfrac{\dfrac{m}{t}\text(速度)}{t\text(時間)}は加速度aだが、分子側の \frac{m}{t}のtと、分母のtを分けるとすんなり理解できる。

 

加速度とは「時間の変化」に対する「速度の変化」だった。

それを単位だけで表現すると下記になる。

 

分数が2つあって見にくいが、分子の \frac{m}{t}は速度、分母は時間t。

だから、加速度は「時間の変化」に対する「速度の変化」。

 

 

たとえば、地球の重力の加速度は9.8\dfrac{m}{t^{2}}

 

言い換えると、

 

 9.8\dfrac{\dfrac{m}{t}}{t}

 

つまり1秒あたり速度が9.8変化する意味になる。

 

 

加速度そのものは、時間によらず9.8で一定なので、xy軸でしいて表現すれば下記のようになる。

地球の重力は時間によって変わらない。

 

一方、その重力という力によって、時間によって速度が変化していく。

 

 

加速度を \frac{m}{t^{2}}が混乱する理由は分数だからだろう。

 

分数とは、分母に対する分子の変化だった。

 

だから、加速度の単位 \frac{m}{t^{2}}を素直に読むと、分母 t^{2}の変化に対する、分子mの変化と捉えてしまう。

 

だが、分母 t^{2}の意味がわからないから意味がつかめない。

 

 

では、分母の変化(時間)に対する分子の変化(速度)を、xy平面で表現してみよう。

 

 

 

時間が1秒に対して、速度が9.8 \frac{m}{t}変化する比例グラフが現れた。

 

 

分母である「時間tの変化」に対する分子である速度 \frac{m}{t}の変化なので、単位だけで計算してみると \frac{m}{t^{2}}となる。

補足1: \frac{m}{t}÷tの計算は大丈夫だろうか?

 

分母のtを消したいので、\frac{1}{t}で分母分子を構成する1をかける。

 

つまり、 \dfrac{\dfrac{m}{t}}{t}\times \dfrac{\dfrac{1}{t}}{\dfrac{1}{t}}

 

= \frac{m}{t^{2}}

補足2:y軸に \frac{m}{t^{2}}のような複数の単位があってもよい。1軸は1単位という思い込みは無いだろうか?

 

 

 

2秒後の速度は?

加速度が 9.8\frac{m}{t^{2}}の2秒後の速度は、グラフから19.6\frac{m}{t}だとわかる。

 

加速度= \frac{速度}{時間}

 

だったので、

 

両辺に時間を掛けると

 

加速度x時間=速度

 

したがって、

 

 9.8\frac{m}{t^{2}} \times\ 2t=19.6\frac{m}{t}

 

加速度の意味を理解してないと、加速度の単位 \frac{m}{t^{2}}の分母の t^{2}のtに2を入れ、まったく意味不明な答えになる。

 

加速度⇒速度⇒距離のイメージはついてきただろうか。

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