人間の想像力と創造力を使って技術を進化させる過程において、情報を体系的に整理する力は非常に役立つ。博士号を得た人は当たり前のことだが、一般的には体系的な引出を持っていない人が多い。
情報が整理されていると効率よく出し入れができる。情報の場所が明確であれば探す時間も短い。仕事の2S(整理・整頓)と同じだ。情報の整理整頓や加工がスムーズに行える頭の整理をしたい。
カテゴリーを作るメリット
そのためにまず『情報のカテゴリー』を準備するとよい。カテゴリーにより情報を体系的に一覧でき、情報の「網羅性」を確認しやすい。また、情報が整然と分かれていることで、「検索性」が早くなり「利便性」がよくなる。さらに過去の情報に磨きをかけることで「専門性」を効果的に深めていくことができる。
カテゴリーは情報の「到達性」や「認知性」に役立つ。マーケティング的に言えば、SEO対策だ。
SEOとは:キーワードを上位ページに登録させる技術。
理念実現書作成セミナーでは熟考が繰り返される。日々の生活では大量のインプットも必要だ。また多くのヒラメキや気づきが降りてくる。それらをストレスなく、かつ場所に制限されず整理する情報整理術を磨いてほしい。
世の中のカテゴリはどうなっている?
図書館のカテゴリの考え方
では、どうやって「カテゴリ」を作るか?始めに考えたのが図書館の検索システムだ。国立国会図書館を除くと、以下の分類法がある。
国立国会図書館分類表(NDLC)
日本十進分類法(NDC)分類基準
あれだけの膨大な図書を整理できているので、優れた情報整理術だと思った。しかし、個人レベルでは使わないジャンルが多すぎた。いまいち使いこなせない。
ヤフーのカテゴリーの考え方
次に、ヤフーのカテゴリーを参考にした。ヤフーは多くのアクセス数があり、日々情報の更新が行われている。ヤフーのカテゴリーは以下のようになっている。
- ニュース
- 経済
- エンタメ
- スポーツ
- 国内
- 国際
- IT・科学
- 地域
このジャンルで分けた理由は当事者でなければ分からないが、多くのニュースを扱う中で理解された最適ジャンルに違いない。
ニューズピックスのカテゴリーの考え方
次にビジネスマンが良く見るニューズピックスのジャンルを参考にした。2017年4月28日現在、以下のようなジャンルになっている。
- 総合トップ
- テクノロジー
- ビジネス
- 政治・経済
- 金融・マーケット
- キャリア・教育
- 社会・スポーツ
- 特集
- オリジナル
- ジョブオファー
- イノベーション
- タイムライン
先ほどのヤフーとは違い、ビジネスに特化したジャンルが多い。
アマゾンのカテゴリー
あやゆる商材を扱っているアマゾンの情報整理術はどうだろうか?
2017年4月28日現在、以下のようになっている。
- Amazonビデオ
- デジタル&プライムミュージック
- Amazon Driveと写真
- Androidアプリストア
- Kindle 本&電子書簡リーダー
- Fireタブレット
- Fire TV
- 本・コミック・雑誌&Audible
- DVD・ミュージック・ゲーム
- 家電・カメラ・AV機器
- パソコン・オフィス用品
- ホーム&キッチン・ペット。DIY
- 食品・飲料・お酒
- ドラックストア・ビューティー
- ベビー・おもちゃ・ホビー
- 服・シューズ・バック・腕時計
- スポーツ&アウトドア
- 車&バイク・産業・研究開発
- クレジットカード&アマゾンポイント
- すべてのカテゴリー
膨大な商品をわずかなカテゴリで整理しているところがすごい。しかし、いまいち、応用の仕方がわからなかった。
個人レベルで最適なカテゴリーの作り方
そこで、まず実行したことが、自分の興味あるコンテンツをひたすら作る作業だ。世のある優れた検索システムは、おそらくやりながら最適な解を見つけたはずだ。同じように、まずは、頭にあるものを一度全部吐き出してから最適カテゴリーを見つけていくのが良い。
1.コンテンツを創出する。
発信したい情報がなければ、そもそもカテゴリを作る必要はない。まずはコンテンツを100個程度作ってほしい。
2.近いモノ同士で分ける
100個コンテンツができたら、近い情報群同士でまとめるとよい。野球の大谷選手も活用している9x9のマンダラ表なども有効だ。
3.上位概念を探す
次に、集めた情報群の上位概念を考える。この上位概念を考える時に。図書館での検索法や、ヤフーなどのカテゴリなどを参考にしてみるとよい。たとえば、サッカーであれば、その上位概念はスポーツだ。スポーツの上位概念は、「健康」や「肉体強化」などだ。上位概念の捉え方に絶対的なルールはない。自分の使いやすい上位概念を考えてほしい。
4.カテゴリーの最適数は?
個人レベルの最適カテゴリー数は、最大でも5つが良い。
マジックナンバー7±2というアメリカの認知心理学者ジョージ・ミラーが提唱した概念があるが、7つは実際多すぎる。携帯電話の番号が覚えられない人が多い時代だ。感覚的には、3つが良い。 3は非常にバランスよい数字だ。
5.カテゴリーの階層の考え方
カテゴリーの階層は通常は3つで十分だ。最大でも5つ。はてなブログも、大、中、小の三段階になっている。「親」、「子」、「孫」など3には安定感がある。ワードの書式も3層までが多い。
情報を詳細にまとめる自信がある人は5層でも良い。例えば、先ほどのイラストで説明する。
サッカーは、3層目であるが、ここからさらに2層深めると次のようになる。
【第3層】
サッカー
【第4層】
サッカー 練習
サッカー 好きな選手
サッカー 少年団
サッカー ワールドカップ
サッカー サッカーボール
【第5層】
『サッカー 練習』の層をさらに深めると
サッカー 練習 リフティング
サッカー 練習 ヘディング
サッカー 練習 ランニング
整理する時は、エクセルを使うと良いだろう。下記はミルキヅクがブログ整理で使っているエクセル表だ。
カテゴリー名の付け方
カテゴリー名は検索のしやすさとSEO対策を意識してほしい。
カテゴリー名は、オリジナルの造語も良いが、はじめは一般用語で十分だ。 例えば、「サッカー」と「バイク」と「お寿司」をこよなく愛する人ならば、
- 『スポーツ』 - サッカー
- 『趣味』 - バイク
- 『グルメ』 - お寿司
の3ジャンルで良いだろう。
ミルキヅクの場合は大きな3つのジャンルは以下のとおりだ。
- 理念
- ビジネス
- ミルキヅク視点
たとえば、『ビジネス』という下位概念は以下のように3層に分かれている。
これを整理したのが下記の体系図だ。情報をまとめる時も、どんなカテゴリーの何の話しについて書いているか明確にわかっている。カテゴリーは、『タグ』を使いやすく作り込む作業と言い換えても良い。常にカスタマイズを加え、精度の高い情報整理術を磨いてほしい。
情報・気づき・独自性
理念を深堀する過程で多くの気づきが得られる。この気づきは独自性のあるものだ。そういった貴重な宝を適当に放置するのではなく、かならず整理してほしい。そして、その整理術を身に着けてほしい。
理念に基づく技術を進化させるためにも、過去の情報に常に磨きをかけ、アップデートすると良い。そういった情報はどんどん独自性を持ってくる。情報自体も、付加価値のあるものに進化してくるのだ。
1カテゴリーと理念
この世は役割分担の果し合い。一人が1つを究める社会。そうであれば、人生におけるカテゴリは1つで良いのだ。本記事では、カテゴリは3つが理想と書いたが、本当は1つで十分である。その1つがあなたの理念から発生するものだ。
1つの上位概念から枝分かれし、1-3-9と3層ごとに分岐させ整理するとバランスがよいだろう。あなたの理念を究める過程において情報整理術は欠かせない。
『理念実現書作成セミナー全40回』