【第24回】技術の進化~アイデア発想術『理念実現書作成セミナー』

前回は、技術を進化させるスキルの一つとして『情報整理術』について述べた。

 

人間の想像力と創造力を使って技術を進化させる過程において情報整理術と同じくぐらい大事なスキルがアイデア発想だ。アイデアの出し方も技術の一つで、良質なアイデアを意図的に短時間に生み出すことが可能だ。

  

アイデア発想は、人間の『想像力』と『創造力』を使った高次元の知的活動だ。

 

一つのアイデアが世の中を変えることはよくある。世の中にはアイデア発想術で溢れているが、まずはミルキヅクの現在のアイデア発想術をご紹介したい。(2017年7月時点)

  

  

ミルキヅクのアイデア発想術

今までに、たくさんのアイデア発想術を取り入れたが、ミルキヅクの発想術は以下ののステップで行っている。  

 

まずは次の3ステップを冷静に分析する。

 

  1. そもそもアイデアを考える必要がある課題か?(成果)
  2. やるとしたらどういう切り口がよいか?(効果)
  3. 2で決めた切り口の中で、もっとも効率的なやり方は何か?(効率)

 

 

1.そもそも、やるか、やらないか?

アイデア発想で最初にすべきは、そもそも時間を使ってアイデア発想すべき対象物かという判断基準だ。

 

「始めから手を付けるべきではなかった」と、やってから後悔した経験をされた方は多いと思う。 そうならないために、目的の確認が必要である。「そもそも、目的は何か?」である。その目的の根底にあるのがあなたの理念だ。

 

目的に合致した課題がたくさんある場合は、あえて時間を制限してみることだ。例えば、後1年の命なら、それをするかという判断基準だ。

 

 

 

2.やるとしたら、もっとも最適な切り口は?

課題に手を付けると決めたら、次が、課題解決の「切り口」をどうするかだ。

 

ここで、すぐに課題解決の「やり方」を考える人がいるが焦ってはいけない。ミルキヅクは、「なるほど、その手があったか! 」が量産できる “ひらめき"の作法で濱口秀司さんの考えを元にして編集した東さんの発想法を取り入れている。

 

2軸バイアス発見法とでも呼ぼうか。世のバイアス(偏見・固定観念)を発見して、盲点をあぶり出すやり方だ。注意深く意識しなければ気づけないポイントを意図的に科学的に発見する方法だ。 

 

もう一つ同時に行なっている発想法がウォーレン・バーガーのQ思考だ。

 

この書簡で紹介されている次の問いは非常に役に立っている。

 

「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」

  

この本を読む前から、自らも自然に実践していた問いだったが、改めて共感した。この思考法は、常識疑問仮定法とでも呼ぼうか。例えば、以下のような発想の展開だ。

 

1.なぜ携帯電話の価格はこれほど高いのだろう? 

2.もし、無料で携帯電話が使えたら? 

3.それをするためにはどうすればよいか?

 

これらの問いが、自らの理念と合致しワクワクするモノが見つかると最適な切り口に近づきやすい。この段階で、アイデア発想のツールを使ってしまうと、逆にアイデアが膨らまないことを実感している。アイデア発想のコツは、その手段ではなく、上記のような自由発想を元にした問いが非常に効果的だ。

 

 

 

3.切り口をいかに効率よく実行するか?

最適な切り口がわかったら、次は最適なやり方だ。最適なやり方を発見する方法は次の3つが効果的だ。

 

1.アンテナ法

人間は意識したものをよく知覚する。心理学ではカラーバス効果という。それを活用し、まずは、2で定まった切り口を展開する最適なやり方は?というアンテナを立てるだけで情報の知覚が敏感になる。また気づきも増えるだろう。それは、すばらしいアイデアを生む要素となる。

 

 

2.掛け合わせ法

アンテナを立てたくさん情報や体験をインプットたら次は既存アイデアの結合だ。ロングセラー『アイデアのつくり方』ジェームス W.ヤングで、ジェームスは言っている。

 

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」 

 

ビジネスサテライトのトレたまを良く見るが、確かに、発明品はアイデアの組み合わせが圧倒的に多い。真に0から発想したアイデアは、めったにない。みなさんも周りで見聞きするアイデアを分析してほしい。ほとんどが組み合わせであるはずだ。

 

 

3.メラキア発想

アンテナを立て、アイデアを掛け合わせた後は少し熟成させる。すると、ふと名案がひらめく。しかし、その名案は必ず壁にぶち当たる。そこで、その壁をぶち壊すのに役立つのがメラキア発想だ。これはとてもパワフルな発想法でミルキヅクは常時利用している。

 

メラキアの発想―災い転じて福となす発想二刀流 梅沢 伸嘉 

 

メラキア発想の中でも特に使えるのは、次の2つある。

 

欠点無効

xxでも構わない。要はxxという目的が達成すればよい。

と考え、欠点を無効化する考え方だ。

 

 

欠点活用

xxのほうがむしろよい。

 

もう一つが欠点活用だ。欠点を逆に活用する発想法だ。 吉本新喜劇は、まさしく、欠点活用の神様だ。

 

 

この欠点無効と、欠点活用は、実用的で、『柔軟発想』のお手本だ。常識や固定観念から自らを解き放つ魔法の言葉だ。日常生活で頻繁に使っている。

 

 

 

アイデア発想を技術として究める(アイデア発想を科学する)

課題設定を行い、やると決めたら、やらない理由探しは時間の無駄だ。アイデア発想会議ではメラキア発想を使って全員で問題解決のための建設的な意見を出し合うと良い。 

 

アイデア発想術を技術として進化させたい目的は、あなたの理念に基づいたアイデアが世のため人のために貢献するためだ。 知的労働社会が加速する。ボタン一つで衣食住が完結する時代になっていく。人のアイデアは労働生産性を向上させ、その行き着く先は、労働からの解放だ。

 

かならずしも、良いアイデアが世の中に普及するとは限らない。さまざまな人間関係の思惑や利益や柵(しがらみ)があるからだ。それらを調整して、アイデアが世にでるためにいは、各自の理念と情熱がいる。

 

ぜひ アイデア発想術を科学し続け、理念と共に実行に結びつけてほしい。

 

 

 

アイデア発想術の良質な参考図書

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

上記でアイデアの作り方は、アイデア発想の王道だ。これを究めるだけでも十分だ。

 

その他、評価の高い書簡をご紹介したい。特に、特許のビックデータから人のアイデア発想の思考術を体系的にまとめた5番目のトリーズは面白い。発想に行き詰ったら、パラパラとページをめくってほしい。

 

1.アイデアのヒント

 

2.考具 ―考えるための道具、持っていますか?

 

3.スウェーデン式 アイデア・ブック

 

4.アイデア大全――創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール

 

5.トリーズ(TRIZ)の発明原理40 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考支援ツール

 

6.くぼたつ式思考カード54 新しいことを考え出す知恵と技術

 

 『理念実現書作成セミナー全40回』

【第1回】理念実現書の全体像

 

【第2回】なぜ理念が必要か?

 

【第3回】人間が持つ潜在力

 

【第4回】我々の役割

 

【第5回】あなたにとって真に大切なもの

 

【第6回】人類の未来

 

【第7回】幸せとは?

 

【第8回】お金とは?お金の本質について

 

【第9回】お金の哲学

 

【第10回】運とは?

 

【第11回】働く目的とは?会社の目的

 

【第12回】命とは?人生一度の解釈

 

【第13回】死とは?永遠の命と死の恐怖

 

【第14回】生きる目的

 

【第15回】人間とロボットの違い

 

【第16回】真に価値ある情報とは?

 

【第17回】なぜ人は進化すべきか?

 

【第18回】心の進化

 

【第19回】技術の進化~未来を制御

 

【第20回】技術の進化~占いに頼らない

 

【第21回】技術の進化~社長の仕事

 

【第22回】技術の進化~独自の趣味

 

【第23回】技術の進化~頭の整理と情報整理術

 

【第24回】技術の進化~アイデア発想術

 

【第25回】相互尊重の本当の意味

 

【第26回】自分を見つめる~怒りのコントロール法

 

【第27回】我とは何ぞや~本心に従う

 

【第28回】時に支配されない理念

 

【第29回】価値観を変えたもの

 

【第30回】目標設定と理念設定の違い

 

【第31回】欲の見える化・好きリスト

 

【第32回】理念の探し方

 

【第33回】理念を磨く3つの視点

 

【第34回】進化とは?本質的なニーズを満たす

 

【第35回】やりたいこと探しの罠

 

【第36回】効果的に理念を磨く

 

【第37回】理念を守る

 

【第38回】理念を行動に落とし込む

 

【第39回】理念に生きた人

 

【第40回】理念実現書を始める

 

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