組織運営で「分社化」か「事業部制」かに迷う社長がいる。
結論から言えば、どちらでも良い。
事業部制は、創設と廃部が簡単だ。会社のブランド力も蓄積されやすい。
一方で、分社化は設立、整理が大変だ。一方、リスク回避や、税制、相続でメリットがある。
一長一短であるが、どちらの組織運営がよいか提案したい。
分社化・事業部制は視点の違い
体内では細胞分裂が行なわれている。毎秒何十万という細胞が死に、再生されている。
細胞レベルの生死は繰り替えされているが、人体は存在している。
ここで言う「細胞レベル」とは、事業部制のことだ。
「人体」とは、会社のことだ。
つまり、事業部制が創設、廃部になっても、会社は存続し続ける。
「分社化」では、細胞レベルが人体だ。
人体が死んでも、人類は生存している。
「事業部制」と「分社化」の本質的な違いは、どの視点で会社を捉えているかだ。
リスクマネジメント視点では、「分社化」の方が責任回避できるメリットがあると考える社長もいる。
しかし、分社化でリスクを回避できたとしても、統括するオーナーの道徳的責任は変わらない。
組織体制の本質は役割分担の果し合いだ
全世界が1社で統合されるとする。
その場合は、すべて事業部制で運営される。
分社化という概念が無くなる。
世界が1社で統合されることはないので、イメージしずらいかもしれないが、地球を1つの会社と捉えると、全ての会社は事業部制だ。
事業部制とは、突き詰めれば、役割分担のことだ。
事業部制か分社化の本質論は、役割分担である。
この世は、役割分担の果し合いだ。
事業部であれ、分社化であれ、そこに存在するのは「人」であり、それぞれの人がどんな役割分担を果たしていくかが経営にとって大事になる。
事業部か分社化かという小さい議論は、小手先論に過ぎない。
世界が1社だったとしたら会社運営はどうなるか?
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