今の若者は、団塊の世代のようなこだわりや執着がなく、覇気もなく、また、怒られるとすぐにスネて、ガツガツしていないと表現されている。
なぜ若者はガツガツしていないか?
この若者の「ゆるさ」は、可処分所得の少なさからくる諦め感や、将来の経済的不安を考慮して無難に生きる心理から来ているのだろうか。
「こだわりがない」ということは、「使用するモノはなんでも良い」ということになり、だからこそ、共有社会も受け入れられやすいのかと思っていた。
しかし、最近、実は真逆なのではと思い始めている。
というのも、今はインターネットが無かった時代と違い情報が溢れている。
ということは、選択の幅が多様だということだ。
選択の幅があるのに、唯一、購買力が低いため、買いたくても買えないというストレスが溜まっている。
この「購買力」と「買いたいニーズのギャップ」が昔よりも大きいのではないか。
シャアリング社会が流行る別の理由
共有(シェアリング)というの概念は、そういった若者の心の葛藤を慰めているのかもしれない。
今の若者は、こだわりがないからシェアリングが成立するのではなく、強すぎるこだわりを満たすために共有社会が加速的に受け入れられているのではないか。
そうであれば、これから様々なシャアリングサービスがでてくると思うが、若者のこだわりを満たす共有サービスが勝ち残るはずだ。
シェアリングビジネスを考えている社長が「モノは使えれば何でもいい」と考えていると失敗するかもしれない。
カップル率が低い本当の理由
若者のカップル率が低いと言われている。
インターネットやゲームに夢中で家に閉じこもり出会うチャンスがないからだとする意見がある。
また、草食系は、女性に声を掛ける勇気がないからという意見もある。
さらに、自立した女性が増え、男性がひ弱に見えるからという意見もある。
そういったことも確かにあるだろう。
しかし、実はカップル率の低さの本当の原因は「こだわりの強さ」ではないかと推測しはじめている。
例えば、出会い系サイトがある。出会いをコーディネートするサービスだ。
寂しいからとか、彼氏、彼女がいないから利用するというニーズもあるが、こだわりの彼氏、彼女をじっくり探すために利用されているのかもしれない。
家に閉じこもるのは、こだわりのパートナーを一生懸命検索しているのではないか。そう推測している。ビックデータを持っている会社はすでに知っているはずだ。
昔の人は、「こだわり」ようがなかった。
昔の人は情報が少なかった。だから、こだわりようがなかった。
他を知らないから、目の前の人でOKする可能性が今よりも高かったのではないか。
今は、理想の彼氏彼女像の情報で溢れている。
一度そういうこだわり情報を見てしまうと、普通の情報が劣化してしまう。
だから、「こだわりの人が見つかるまでは付き合わない」という判断が強くなる。
その「付き合わない姿」が草食系と形容されている。
しかし、今の若者は、ある意味、昔の人より虎視眈々と獲物を狙っている肉食系なのではないか。
今の若者は、草食系と名づけられてしまった、装飾系超肉食男子なのかもしれない。
by Stewart Waudby on Flickr
ミルキヅク