QCDとは?品質・価格・納期の本当の意味!うまい・安い・早いではない

 

QCDは、ビジネスで良く聞く。

 

何となく、理解はしているが、何となくわからないという方へ説明したい。

  

 

 

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多くの人が、QCDを次のように捉えている。

 

 

Q…品質 quality いいもの

C…価格   cost 安く

D…納期   delivery 早く

 

 

しかし、QCDの理解は、それほど単純なモノではない。

 

では、その本質を説明する。

 

 

 

 

Qの「品質」(クオリティー)について

「いい商品だから、売れるに違いない」という時の「いい商品」は、大概、顧客目線になっていない。

 

「いい商品なのに売れない」と良く聞かれるが、そもそも「いい商品」ではないのだ。

 

製作者が「いい商品」と思っていてもフェイスブックの「いいね!」1つぐらいのモノが多い。

 

 

大事なのはお客様視点の品質

「いい商品」の前に、お客様が求める、という形容詞を入れてもう一度自社製品を振り返ってほしい。

 

「自社が認める」品質を「Q」と捉えている人が圧倒的に多いのでご注意。

 

多くの会社で、顧客視点を忘れ、トンチンカンなアピールをしている。

 

カタログやチラシのうたい文句を見るだけで、99%がそうなっていることがわかる。

 

 「Q」の本質は、「お客が喉から手が出るほどほしい」モノを作り込むことだ。

 

品質の作り込みをしても、お客がほしくなければ意味がない。

 

不必要な機能の品質の作り込みが多すぎるのも多くの企業の特徴だ。

 

必要とされない機能の作り込みに時間をかけるのは無駄だ。

 

もっと、集中させるべきところに、品質管理を徹底しなければいけない。 

 

そのためには、顧客のニーズを明確に理解していないといけない。

 

ただのヒアリングでは真意を観えない。相当の観察力と読心術がいる。

 

 

 

 Dの「納期」(デリバリー)について

多くの人が、納期の「D」を、早く作る事とか、早く届けることだと勘違いしている。

 

「D」の納期は、早く作ることではない。

 

もちろん、業界の平均納期が1か月の時、それが1日になれば、素晴らしいサービスだが、本質は、お客様が欲しい時に、手元にある事だ。

 

極端なことを言えば、当日配達されては困る時だってあるのだ。

 

また、夜中に欲しい時もある。

 

「今ほしい」と思った、その「今」という瞬間に商品サービスが届いていることだ。

 

納入時間の速さもさることながら、お客が欲しいと思ったその瞬間だ。

 

究極は、24時間いつでも、お客様が欲しいと思ったその瞬間に届けられる企業が生き残っていく。

 

ところで、ある企業で当日配達サービスをすると、やはり「納期は素早さが大事なんだ」と勘違する経営者も多いが、それをすべき事業と、する必要のない事業があることをまずは理解しなければいけない。

 

「2つの事業の体質」は、後ほど説明する。

 

 

 

 

 

 

  

Cの「価格」(コスト)について

Cの「価格」についての多くの勘違いは、「どこよりも安く」と考えていることだ。

 

おそらく98%の社長は、そのように考えているので、値段のたたき合いとなり、じり貧となる。

 

「価格」は安く売る事ではない。

 

もちろん、価格戦略としてはそのようなやり方もあるが、QCDで言うとこのCの「価格」の意味は、「どこよりも安く請けても、利益が残る体制」の事だ。

 

だから、「利益を残せる体制にするための工夫」に主眼がある。

 

価格を下げて仕事を取る事ではない。 

 

  • 設計の見直し
  • 仕入先の見直し
  • 労働者の動きの見直し
  • 労働者の配置
  • 労働者の数

 

例えば、太陽光関連の会社の人から、「うちは売電価格が10円台になっても利益が出る」と話していた。この会社は、買い取り価格が安くなることと、競争が激化することを見込んで、最低価格で受注しても利益が残るような様々な手を打っている。

 

その対策が「C」のコストだ。理解できたであろうか?

 

つまり、安く売らざるを得なくなっても、利益を残せる体制にするための工夫。これが「価格」の視点だ。

 

「この安く売らざるを得なくなっても」という視点も、事業の体質によって変わる。

 

 

では、その2つの事業の体質を説明する。 

 

 

 

QCDを徹底して磨くべきは「受注事業」の方

大事なお話をする。

 

QCDが最も関係するのは、受注事業の方である。

 

事業には、2つの体質(受注事業と見込事業)があると、牟田氏の社長業に書いてある。

 

それぞれによって、手の打ち方がまったく違うので、まずは本を一読されたい。

 

2つの事業の体質を理解するだけでも、QCDの理解が深まる。

 

見込事業は、「いいね!」が1億個もらえるぐらいQを磨くことだ。

 

喉から手が出るような魅力的な商品であれば、消費者が魅力的に感じている以外の欠陥は打ち消され、価格「C」のコントロールを得られ、納期「D」コントロールが得られる。

 

高く売れるし、納期も待ってもらえる。早く届ける必要はないのだ。

 予約が1年待ちという商品サービスは多々ある。それらは、アマゾンや他社の当日配達競争に巻き込まれない商材だ。

 

たとえ欠陥があっても、その欠陥すら「可愛く見える」と熱狂的なファンから指示されることもある。

 

 見込事業を行っている経営者ならば、「QualityのQ」を徹底して磨いてほしい。

 

品質というより、消費者視点の「商品コンセプト」に近いイメージだ。

 

「喉から手が出るほどほしい」というキーワードを元に、商品コンセプトを作ってほしい。

 

  

事業の2つの体質はこちらの本でしっかり勉強してもらいたい。

社長業

社長業

 

 

QCDを正しく理解して事業を行うと成果が上がりやすくなる。

 

社長、工場長、管理職、現場責任者は、QCDを単に早い、安い、うまいと勘違いをするのではなく、もっと深く勉強してほしい。 

  

 

 

事業の体質について説明した記事

mirukizuku.hatenablog.jp

 

 

 

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