【最終更新日2017年5月10日】
「好きか嫌いか」という判断基準は重要だ。
頭では分かっているが、なんとなく、嫌だ、とか、好き、という感情に我々は支配されている。
そのように判断してしまう理由を説明した本もある。
人は情の生き物。その通りだ。
しかし、世の中には、好きでも選べないもの、嫌いでも選ばなければいけないことがたくさんある。
例えば、会社に入ったら、上司は選べない。好きでも、嫌いでも、上司との人間関係が発生する。そこに、選択権は無い。
災害で品薄になった時、それに便乗して高くモノを販売する人がいる。
普段500円ぐらいの透明傘が1000円とか、100円程度のペットボトルの水が500円で販売されていたりする。
アメリカにいた時、大停電が起きた。
その際、会社から数キロ歩いて帰宅しなければいけない人は、運動シューズを買おうとしたが、値段が何十倍にも吊り上げられていた。
当然、お店は非難されていた。
大半の人は、こういった商売をする人を嫌うだろう。しかし、他で入手できず、かつ、必須な時は、感情を越えて買わなければいけない時もある。
好きとか、嫌いとか言える状況ではない。
某ホテルは、サービスレベルが見合っていないのに、値段を吊り上げ集客した。お客は、他のホテルが無いから、そこを使用せざるを得ない。景気に便乗した嫌なビジネスだ。
また、他では作れない独特のモノを販売している人に対しても、それが本当に欲しい場合は、感情を越えて商材を購入する。
例えば、ラーメン屋の亭主が非常に生意気で無愛想で嫌いなのだが、あのラーメンがどうしても忘れられないと、複雑な気持ちで行列に並んで食べる人もいる。
このように、世の中は「好き嫌い」で選べないことがたくさんある。
自分の会社の商品サービスを人に好きになってもらうことは王道だ。しかし、一方で、嫌で購入した製品が役に立っている場合も多々ある。
営業マンレベルでも、人に好かれたり、可愛がってもらうことは、王道だが、嫌味を言われても、たくさん購入していただける営業マンもいる。
人間は好き嫌いの動物。
確かにその通りだ。
しかし、「好きか嫌いか」という判断基準は、相対的だ。
時間とともに変わることが多々ある。今まで好きと言っていたのに、次の瞬間に嫌いになることがある。反対も然りだ。
そんな、頼りない判断基準を頼りにビジネスをするのではなく、好かれたって、嫌われたって、人の役に立つ製品サービスを究めていく姿勢が大切だ。
こういった本が流行るのもうなずける。
多くの人が、「好き嫌い」という判断軸に敏感になりすぎているのだろう。
その他、好き嫌いに惑わされない強さを身につける参考書
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