1x1=1。
何の変哲もないこの計算について深堀してみる。
白のTシャツがある。
それにコーヒーをかけると黒いTシャツになった。
汚れたので白のTシャツを1枚買った。
これを式で表すと
白いTシャツ x コーヒー = 黒いTシャツ
黒いTシャツ + 白いTシャツ = 2枚のTシャツ
かけ算は、かける数の性質を付与する
これから何度もでてくるので頭の片隅に入れてほしい。
かける数の性質を付与する。
1x1=1。
x1とは1という性質を最初の1に付与すること。
1x1=1
何の変哲もない。
では次に、何の変哲もない1に「単位」という性質をかけてみる。
1xm=1m。
数字に単位がかけ合わさって「長さ」という概念になった。
こうやって人間は「長さ」という概念を獲得した。
では次に、単位に「数字」という性質を掛けてみよう。
mx1=1m
単位は数字と掛け合わさって意味をなすことがわかった。
単位だけでは、だから何?となる。
1と1mでは意味が違うことがわかった。
たしかに、1は長さではない。
では1mを1倍してみよう。
1mx1=1m。
何の変哲もない。が、実はx1のすごさを後ほど説明する。
では1という数字に1mという「長さ」をかけてみよう。
1x1m=1m
すると前半の1は、1mという長さの性質を付与され1mに変容した。
次に単位に単位を掛けてみよう。
mxm=
(平米「へいべい」)だけでは数字がないので意味をなさない。
そこで1という性質を付与するためにかけるとという「面積」になれた。
x1=
補足:数学は超効率的。毎回素直にと書くのは面倒。だからと書かれている時は、1が隠れているとみる。
次に長さに「長さ」という性質を掛けてみよう。
1mx1m=
長さが面積になった。
同様にその面積に長さを掛けてみよう。
x1m=
面積が立体になった。
とは記号がmで同じでも意味が違うことがわかった。
「符号」という性質も掛け合わすことができる。
1x-=-1
これは1に「マイナス」という性質を付与した。
この-1にまたマイナスという逆方向にさせる性質をかけるとプラスになる。
-1x-=1
だからマイナスxマイナスはプラスになる。
長さに限らず、いろいろな単位で意味を持たせることができる。
1個は「個数」、1kgは「重さ」、1ℓは「かさ」、1分は「時間」
このように、人はかけることで多くの意味づけをしてきた。
何をかけてもいいの?
では何でもかけていいのか?
1kgx1kg=?
1人x1人=?
たしかに、何を掛けてよいが、意味を見出せなければ使えない。
どっちのおかげ?
さて、掛け算は掛けるものの性質を付与するとなると、AxBとBxAでは答えがABであっても意味が変わる。
たとえば、
A=わたし、B=あなたとする。
片方は、もう片方と出会うことで運が良くなったとする。
AXBとは、AはBのおかけで運気が上がった意味になる。
BXAとは、BはAのおかけで運気が上がった意味になる。
掛け算の本質を理解すると、なぜここでかけるのか?という意味がわかるようになる。