かけ算は「かけ合わさる」という表現を使う。
一方、足し算は足し合わさるとは言わない。単に足されるという。だから、足し算は共通の概念でなければ足せない。
たとえば、1mに1を足しても2mにはならない。
2mになるのは、1mに1mを足した時。
1mは「長さ」の概念、1は「数字」の概念。
概念が違うので足し合わせられない。
だから、1m+1の答えは、1m+1となる。
一方、掛け算はかけ合わせることができるので、違う単位同士でも、単位がないものでも合わせられる。
掛け算は足し算の仲間?
よく掛け算は足し算だと言われる。
たとえば、1x2は1を2回足したものと言われる。
1+1
しかし、+という足すの記号は1つしかない!
どこが2回足しているというのか?
掛け算は足し算ではないのだ。
現に、掛け算と足し算は性質がまったく異なる。
これは大事なポイントである。
足し算は掛け算のように、かける性質を付与しない。
だから掛け算は足し算より先にやらないと計算がおかしくなる。
たとえば、1+2x3という式がある。
x3は2を3倍する性質を付与している。
1+2=3の3に対して3倍する性質を付与しているわけではない。
素数とは?
実は、1,2,3と数えられる自然数も、「ある数字」が掛け合わさってできている。
たとえば2という数は、1に2が掛け合わさってできている。
ここで九九を分析してみよう。
1x1=1
1x2=2
1に2という性質を付与して1は2となった。
1x3=3
1x4=4
まった。数学は効率重視。
できるだけ少ない素材で表現してみる。
4は2x2。2に2が掛け合わさってできている。
1x5=5
1x6
6は2に3が掛け合わさる、または3に2が掛け合わさってできている。
つまり2x3と3x2。
1x7=7
1x8=8
8は2x2x2。
1x9=9
9は3x3。
4、6、8、9と違い、1と自分の数字以外をかけて作れない数字を「素数」という。
先に書いた「ある数字」とは素数のことである。
2、3、5、7、11、13などである。
自然数は素数の掛け算で作られている。自然数とは1、2、3と数えられる数のこと。0とマイナスは入らない。それらが入るのは「整数」という。
素数で作った九九表を観察してみよう。
何か気づくことはないだろうか?
そう、同じ数は同じパーツ(素数)で作られている。
たとえば、6は2x3 3x2 どちらも2と3という素数からできている。
6は1と6でもできるが、1と自身の数は除くのが素数。
8なら、2x2x2。これ以外の自然数の組合せでは8は作れない。
4x2があるでしょ?って。
4は2x2という素数の組合せ。