まず最小公倍数から説明する。
倍数とは、ある値を1倍、2倍とした時の数のこと。
たとえば、
2の倍数は2.4.6.8.10.12
3の倍数は3.6.9.12
2の倍数と3の倍数で共通するのが6と12。
共通していることを公という。
だから公倍数は6と12。
その内、もっとも小さい方は6。
だから2と3の最小公倍数は6
2の倍数の6であれ、3の倍数の6であれ、6を構成する素数は同じ。
素数の九九表で確認すると、確かに6は2と3の素数で構成されている。
つまり最小公倍数とは、同じ素数で構成される自然数を聞いているにすぎない。
自然数とは:1.2.3と数えられる数。
0とか-1は含めない。0や-1のリンゴとか数えられないでしょ?
最大公約数とは?
では最大公約数の方はどうか?
6は2x3の素数で構成されていた。
だから6は、2でも3でも割れる。
6÷2=3
6÷3=2
このことを、2と3は6の約数という。
今は6という数字1つだけだったが、2つの数字の場合はどうか。
そこで、まず2と3の素数を準備する。
両方とも2倍すると4と6。
2倍したので、4と6は2で割れる。
したがって4と6の約数は2。
共に2で割れるので公約数という。
さらに4と6を2倍すると8と12。
8と12は最初に準備した2と3に対して、x2を2回して作った数字なので、共に4でも割れる。
もちろん最初に2倍した2でも割れる。
公約数は2と4だが、その内もっとも大きいのは4。
だから8と12の最大公約数は4。
共通している素数のかけ算
では話を最小公倍数に戻す。
8と12の最小公倍数は?
最小公倍数とは素数の構成が同じものを見つけることだった。
8=2x2x2
12=3x2x2
まず2x2が共通している。
すべての素数を共通にするために後足りないのが、8側は3、12側は2である。
それらを追加して掛け合わせると24(共通素数2.2.2.3)。
よって24が最小公倍数になる。
記号で抽象化されても同じこと
高校の数学では、最小公倍数や最大公約数はアルファベットで抽象化して問題が出される。
たとえば、
12=2x2x3
18=2x3x3
a=2 b=3とすると
12は
18は
と表現できる。
アルファベットはすべて素数である。
抽象化されても考え方は同じ。
例えば、最大公約数であれば、共通で割れるものを探す。
12のと18のを比較すると、共通している素数のペアの掛け算は、だとわかる。
なぜとか、がでてこないかわかるだろうか?
8と12の両方の数字に、共通ではないから。bも同様。
共通しているのは、とのみ。
よって、a=2 b=3だったので、2x3=6が12と18の最大公約数。
一方12と18の最小公倍数は、同じ素数で構成することなので、12のにはを掛け、18のにはを掛けると、で共通になる。
したがって、=4x9=36となる。
確かに、12を1倍、2倍とすると
12、24、36、48…
18も同様に1倍、2倍
18、36、54…
36が最初にでてくる最小公倍数となっている。