1の世界からみる

=って何?

1+1=2の=について、多くの方は「はwa」と呼ぶだろう。

 

この「はwa」は、1に1を足したら2になるという左からの計算処理を表わすように聞こえる。

 

一方、=を「イコール」と呼ぶときは、左からの計算処理というより、左と右の値が釣り合っているイメージがしないだろうか?

 

1=1

 

=イコールは、左辺と右辺が同じ値。

 

同じ値なのだから、同じ値をかけても答えは同じ。

 

そこで両辺にx1をしてみる。

 

1x1=1x1

 

確かに1=1となる。

 

 

では2をかけたらどうか?

 

1x2=1x2

 

確かに2=2となる。

 

 

では2=2を2で割ったらどうか?

 

 2÷2=2÷2

 

 

1=1でイコールは保たれる。

 

 

両辺を同じ数で割ってもイコールになった。

 

 

 

分数とは?

さて、次に1を1.2.3で割ってみる。

 

 \dfrac {1}{1} \dfrac {1}{2} \dfrac {1}{3}という分数になる。

 

計算すると、

 

 \dfrac {1}{1}=1

 

 \dfrac {1}{2}=0.5

 

 \dfrac {1}{3}=0.33...

 

 

分子は同じ1なのに、分母が変わると答えが変わってしまう!

 

分子の値は分母に影響されるというわけだ。

 

 

このように、分数は分母の世界から分子を捉えている

 

掛け算とはかける性質を付与すると同様、これも繰り返し出て来るので頭の片隅に入れてほしい。

 

分数とは

分母の世界から分子を捉えている。

 

 

 

分母の世界から分子を捉えるとは?

分母の世界から分子を捉えるとはどういうことか?

 

例えば、地球上の重力を分母1とする。

 

重力が地球の2倍の星なら分母は2。3倍なら3とする。

 

 

地球人が1kg(分子)と感じるダンベルを重力が2倍、3倍の者はどのように感じるか?

 

 

3倍の重力に住む者は \dfrac {1}{3}に感じるだろう。

 

2倍の重力に住む者は \dfrac {1}{2}に感じるだろう。

 

 

分子が同じ1kgでも、分母の世界によって、1kgの重みが変わる感じが伝わっただろうか?

 

 

 

分数は計算途中?

ところで分数は、計算途中なのか、数なのか?

 

たとえば、 \dfrac {1}{2}は1÷2の計算途中とも言える。

 

 

そこで計算を続けると0.5になる。

 

先ほど分数とは分母の世界から分子を捉えていると書いた。

 

0.5は分数表記すれば \dfrac {0.5}{1}

 

つまり以下のように言える。

 

 \dfrac{0.5}{1}=\dfrac {1}{2}

 

 

この=で結ばれた式は何を意味しているのか?

 

右辺の \frac{1}{2}の意味は、地球の2倍の重力(分母が2)の人にとって1kg(分子が1)という感覚は、重力が1倍(分母が1)の地球では0.5kg(分子)に感じるという意味になる。

 

 

重力が2倍の者が1kgを持つ感覚を、地球基準で捉えると0.5になると言っている。

 

 

つまり、分数を計算するとは、分母を1にする行為なのだ。

 

分母が1とはどういう意味か?

 

分子の値を1あたりで捉えていることを意味する。

 

この意味がわかると、割り算の問題で、1人あたりとか、1時間当たりとか、1ℓあたりどれくらいでしょうか?という問題が簡単に解けるようになる。

 

 

 

どっちで割るの?がわかる

分数を計算するとは、分母を1にする行為だと理解できれば、どっちで割ればよいかすぐにわかるようになる。

 

 

例えば、2ℓの水を4人で分けました。一人あたり何ℓ?という問題はどっちが分母にくるだろう?

 

一人あたりを聞いているので、分母が人になる。

 

2ℓ÷4人=0.5ℓ/人だ。

 

ここで逆に、4人÷2ℓとすると、1ℓあたりの人数を聞いていることになる。

 

 

 

市場規模は?

分数を計算するとは、分母を1にする行為が理解できると次のような問題もわかるようになる。

 

まず前提として100%は1で表せる。

 

つまり

 

1=100%

 

これを百分率という。

 

0.1が10%で0.01が1%だ。

 

さて、あなたは、とある会社の営業スタッフ。

 

「ある製品」を販売しているが、市場規模がわからない。

 

しかし、「ある製品」の自社の売上は年間1億円。

1億は全市場の10%という事は知っている。

 

 

「ある製品」の市場規模はどのくらいか?

100%とは、1を%で表すと100%になる意味。

 

そこでまず売上1億を10%で割ってみる。

 

なぜ10%でわるかわかるだろうか?

分母を1にするためだ。

 

分母が1とは、ここでは100%を意味する。

 

つまり、全市場規模を意味する。

 

 

1とは百分率で100%のことなので、10%で割るとは0.1で割ると同じこと。

 

したがって \dfrac {1億}{10%} \dfrac {1億}{0.1}となる。

 

1億÷0.1=10億。

 

つまり市場規模は10億だ。

 

自社だけの情報で、全市場規模がわかってしまった。

 

 

 

割り算すると値は小さくなっていく?

割り算は、割るので、値が小さくなるイメージがする。

 

果たしてそうだろうか?

 

たしかに、1÷2÷2÷2と続けると1が小さくなるイメージがする。

 

 

しかし、割るほど数が大きくなっていく場合もある。

 

たとえば、1÷0.5をして見よう。

 

すると2になる。

 

割り算なのに数が大きくなった。

 

 

割り算は、値を分割して小さくする性質というより、分母を1にし、その1というわかりやすい世界から分子の値を見る行為だと言える。

 

割り算が分母を1にする行為ならば、0で割れない理由もわかるだろう。

 

 

 

0で割れない理由

0で割ることはできないと言われる。

なぜだろう?

 

そもそも分母が0の世界から見る分子とは何であろうか?

 

0を無重力で例えるとする。

 

 \dfrac {1}{0}とは無重力の世界から重力1の世界を見ているようなものだ。

 

無重力の世界が基準なのに、分子に重力があると言っているので矛盾する。

 

つまり、計算不能ということだ。

 

 

 

掛け算をすると値は大きくなっていく?

逆に1x2x2x2のような掛け算は、掛けるほど数が大きくなるイメージがする。

 

掛け算とは掛けるものの性質を付与すると伝えた。

 

であれば、かける数自身に、小さくする性質があるなら、かけるほど値は小さくなっていく。

 

たとえば、1より小さい数でかけたらどうなるだろう?

 

1x0.5=0.5になる。

 

確かに、かけても小さくなる場合があることがわかった。

 

掛け算とは、掛けるものの性質を付与する意味がわかっただろうか?

 

つまり1より小さい数をかけるとは、かけられる値を小さくする性質がある。

 

 

 

分母が同じでないと足し算できない理由

分子の値が同じでも、分母の値によってその意味が変わった。

 

だから、分母をそろえないと分子の足し算はできない。

 

 \dfrac {1}{1}=1

 

 \dfrac {1}{2}=0.5

 

 \dfrac {1}{3}=0.33...

 

全部足すと、1+0.5+0.33で1.83となる。

 

 

一方、分母と分子を意識せずそのまま足すと、

 

 \dfrac {1}{1}+\dfrac {1}{2}+\dfrac {1}{3}=\dfrac {3}{6}   

 

 \dfrac {3}{6}=\dfrac {1}{2}=0.5となってしまう。

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