比とは

分数は割り算。

 

割り算は「比」という概念から発展した。

 

だから比は割り算ともいえる。

 

割り算記号は÷、比は:で似ている。

 

 

比とは分母の値を基準に分子を見ること。

 

 

例えば、2は \dfrac {2}{1}で2÷1。

 

2÷1=2:1

 

分母が基準なので、2:1は、1に対して2という意味。

 

だから、2:1と1:2はまったく違う意味になる。

 

1:2は1÷2で \dfrac {1}{2}になる。2ではない。

 

さて、もう少し比の性質を深堀してみよう。

 

 

比は傾き

ここに横が1縦が2の長方形があるとする。

 

四角を対角で切ると三角形になる。

 

この三角形を重ねてみる

横に1、上に2という比を繋げると傾きになる。

つまり、比は傾きを表す。

 

2は \dfrac {2}{1}なので2という傾きを表す。

 

さらに、比は常に一定なので同じ数をかけてもその比は同じだ。

2:1の三角をそれぞれ3倍すると6:3になる。

 

大きさは3倍になったが比は2:1で変わらない。

 

 

同じように2:1= \dfrac {2}{1}なので、分母分子を3倍すると \dfrac {6}{3}となる。

 

 \dfrac {6}{3}は6÷3。比で言えば6:3である。

 

円周率とは?

円周率も比の話。

 

直径が1mの時の円周の長さは?

 

3.14mである。

 

3.14はπ(パイ)といい、円周率を表す。

 

円周率は直径に対する円周の長さの比のことである。

直径が1なら円周は常に3.14という比になる。

 

なぜそう言えるのか?

円周の公式は2πr。

 

rは円の半径。

 

2πrの順番を変えて2rπとする。

 

2rとは半径の2倍で直径のこと。

 

その直径にπの3.14を掛けると円周になると言っているのが円の公式。

 

その直径2rが今1だとしたら、円周の長さは3.14。

 

直径が1だから、そのときの半径rは0.5。

 

仮に、半径が1なら、直径は2になるので、直径1の時の3.14は2倍され6.28になる。

 

なぜ2倍になるのか?

 

円周の長さ3.14の基準は、直径を1と見た時。

だから、直径が2倍になれば円周の長さも2倍になる。

 

 

2πrと2rπという見方

円周の公式は2πrは2rπと見るか、2πrで見るかで見方が変わる。

 

2rπを「2rxπ」とみると、直径2rにπ3.14をかけると円周になる意味。

 

2πrを「2πxr」とみると、半径rに2π(2x3.14=6.28)をかけると円周になる意味。

 

基準が直径か半径かで変わる。

 

単にπが3.14とだけ覚えていると次の問題がわからない。

 

半径1の円を単位円という。

 

では問題。

 

単位円の円周の長さは?

 

なぜ3.14ではないか、もうわかるはずだ。

 

3.14は、直径を1とした時の比だから。

 

単位円とは半径1の円。

つまり、直径は2である。

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