sinθとsinθ°は混乱しやすいので再確認する。
sin1とsin1°の違いは?
sin1の1に°がない。°がないので弧度法の1。
単位円において、円周は2πr=6.28
6.28が360°を表すが、その6.28の内の1の角度の時の縦の長さを聞いている。
6.28とは、半径を6.28個分、円周に張り付けた長さ。
であれば、1とは半径の長さ1個分を円周に張り付けた時の角度である。
それは1radに他ならない。
よって、sin1=sin57.3°(1rad)。
つまり、角度を57.3°にした時の縦の長さを聞いている。
一方、sin1°で、「°」がある方は、単に角度。
斜辺1に対して、縦の長さは0.017程度。
sinθとθの違い
sinθとθの違いもわかりにくい。
今度はどちらも°がついていない。
θは°がないので弧度法。
ではどこの長さのことなのか?
sinθは青の縦の長さ(y軸の値)。
°のないθは弧の長さで角度を表現している。
よって、θは赤の円周の長さのこと。
θが限りなく0に近いと、青のsinθと赤のθが近似する。
この考え方は微積分で使う。
【補足】このことは、ほぼ0に近い変化において、曲線と直線がほぼ同じだと言っている。言い方を変えると、曲線は直線の連続で表現されるともいえる。
だからθが限りなく0に近い時、またはθ°が限りなく0°に近い時、sinθとθはほぼ等しくなる。
いつか、下記の式を見た時は、この話を思い出してほしい。
次の表記も混乱するので確認したい。
とととの違い?
はsinθの値そのものを2乗する意味。よってと同じ。
数学は超効率的。だから()は面倒なので付けない。
はθを2乗する意味。
とするとわかりやすいが。
しかし、は一体。
かといって、とすると、θが2乗されているのか、sinθ全体が2乗されているのかわからない。
だから、sinθ全体を2乗したい時は、と記述するルールにしたのだろうか。
例えばであればsin4=sin(4x57.3°)=sin229°の意味になる。-0.75ぐらいだ。
tanθとは?
tanタンジェントはと習った。
cosθはx軸の長さ、sinθはy軸の長さ。
つまり。は傾き。
xの変化に対するyの変化。
すなわち
conθの変化に対するsinθの変化。
タンジェントは傾きと覚えておけば、公式を覚える必要はない。
さて、では、tanθも長さだろうか?
そうである。
どこの長さか?
下記のイラスト右の縦(黄緑)の長さである。
なぜそういえるのか?
tanタンジェントは
分数を計算するとは、分母を1にする行為。
たとえば、。
0.5とは、省略せず書けば。
つまり、のような分数を計算する行為は分母を1にすることである。
【補足】何度も繰り返しているが、分数とは分母の世界から分子を見る視点。
そして分数を計算するとは、分母を1として分子を見る視点といえる。
では分母であるconθが1とはどういう意味か?
conθ=1とはのことである。
において、分母の1は斜辺の1。分子の1は横の長さの1。
つまりθが0°の時。
では、を計算した分子は何か?
tanθは傾きであり、xの変化に対するyの変化。
よって、xが1変化した時のyである縦の長さを表してる。
だから黄緑の長さを表すのだ。
そして、この長さはsinθやconθと違って1を超える。
特に、tanθのθが90°近くの時は縦の長さが無限になっていくのがわかるだろうか?
逆にθが0°に近い時は黄緑の長さ(tanθ)はほぼ0である。
tanθは傾きを表すので、θが0°に近い時は、傾きもほぼ0°。
感覚と合っていないだろうか。
三平方の定理と三角関数
単位円において、sinは縦の長さ、cosは横の長さだった。
半径は1なので斜辺は1。
だから、三平方の定理が成り立つ。
さらに、1を2乗して。
このという1はに入れ替えられる。
つまり、単なる1という数字の世界を通して、三角関数の世界へ移動できるということだ。
内積とは
ところで単位円においてcos45°といえば、斜辺が45°に来た時のxの長さである。
およそ0.7ぐらいだ。この0.7の意味を綱引きで説明したい。
綱引きで、片方のチームは背の順で並び、綱は斜め45°で引っ張られている。
もう片方は背が同じで真横に引っ張っている。
どちらも力の総量は同じ。
勝つのは真横に引いているAチームだとイメージできる。
斜め45°に引っ張っているBチームの力は真横の力で0.7。つまり相手チームの70%しかでていない。
この斜めの力が横に換算するのが内積の考え方である。
とはどういう意味か?
単位円において円周は2πr。
360°=2πr。
いま半径rは1なので、360°=2π。
両辺を2で割ってπ=180°。
は90°。
のとは90°-θのこと。
90°-θとはイラストの角度であり、その角度に対する縦の長さを聞いている。
それは、もともとはcosθの長さのことだったので、のことである。
補足:三角形の内角は180°。直角三角形の90°の部分を引くと、残り90°。その90°の内、一方がθなので他方は90°-θ。
三角形の内角はなぜ180°?
正方形は90°が4つあるので90°x4で360°。
三角形はそれを対角で切るので180°。
別の説明で、糸で輪を作る。
それをまずは1本のラインにする。
1本の糸だけ上に引き上げてみる。
確かに三角形の内角の合計は180になりそうだ。