100はと表せる。
10の右肩にのった2は、「指数」という。
100は10を2回掛けた数。
10を何回掛けると100になるか?は、指数の値を聞いている。
わからない数は未知数xで置くので、=100となる。
ではxを解いてください。
なんとなくxは2だとわかるが、どんな値になっても計算できるためのツールがlog(ログ)である。
logとは
logは未知数である指数を知るための記号に過ぎない。
たとえば、2にある数字xを足したら5でした。
式で表すと
xは3だとわかる。
同じように、2を何乗したら4ですか?
式にすると、
xは2だとわかる。
未知数である指数xの値を表すのがlogである。
logはxより具体的
単に未知数をxとおくよりも具体的な状況を教えてくれる。
たとえば、10を何乗すると100になるか?を記号で表現する時、
と書く。
読み方はログ10の100という。
2を何乗すると4になるかはと書く。
さて、の答えを考えてみよう。
ちょっと工夫するとすぐに答えがわかってしまう。
100はのことなので、先ほどので100の部分(真数と呼ぶ)は、と表現できる。
もう答えが出ているがわかるだろうか?
100は10を2乗したもの。
つまり10を2乗したのが100だと言っているのだ。
つまり答えは2。
現に=100になる。
繰り返すが、logは何をしようとしているのか?
指数を知るための記号。
で2の部分を「底」といい、4の部分を「真数」という。
そのまま左から読めばよい。2を何乗したら4になるか?
この何乗?を聞いているのがlog。
真数を底で表現する
なぜ真数の4を底の2を使って表現し直すとよいのか?
真数の指数がそのまま答えになるから。
⇒。
2を何乗すると4になるか?は、そもそも4がなので、2を2乗した数である。すでに答えを言っているのがわかるだろうか。
この2が「底」の2と同じだから、そのまま真数の指数が答えになるのだ。
で桁数がわかる
さて、logは指数を知るための記号なのだが、それだけではない。
底が10のを使うと、桁数がわかる。
は、「10を何乗すると」という意味だが、のの右肩の1はゼロの個数を表していた。
そして、0の個数に1足すと桁数になる。
例えばは0が1個で、それに1を足すと2。よって、2桁。
現に10は2桁。
は0が2個でそれに1を足すから3で3桁。
確かには100で3桁。
となると、底が10のlogは桁数を知るためのツールと言える。
は何桁?
ではは何桁だろう?
2は1桁なので、1桁という答えがほしい。
さて、であれば答えは1乗となる。
では10を何乗したら2になるか?
2は10より小さいので1乗より小さいはず。
答えは約0.3乗。
0.3に1を足すと桁数になる。0.3+1=1.3。1.3桁とは1桁は越え2桁には行かないので1桁。現に、真数の2は1桁。
は1。
logは指数を求めているので、答えの1は、1乗という意味。
その1に1を足すると桁数になる。
1+1=2
たしかに真数の10は2桁である。
何度も繰り返すがlogは指数を知るための記号。
とりわけ底が10の場合は指数に1を足せば桁数がわかる。
は何桁?
さて、ではは何桁か?
そこでにという桁を知る性質を掛けるととなる。
本当にかけているイメージだ。
かけるものの性質を付与する。
(この操作を、logをとるとか、対数をとるという。とると言っているのに、付けているから数学の表現はわかりにくい。)
logをとると、指数は前に下ろせる。
の指数部分の10は前に下ろし、 となる。
なぜ指数を前に下ろせるかは後から説明する。
は約0.3だったので、10x0.3=3。つまり=3。
logは指数を表す記号だった。
=3とは、10を3乗したらになる意味である。
ところで、=1024
=1000
1024と1000で違うじゃないか、と思うかもしれない。
それは、を計算しやすいように、約0.3で計算したからだ。
さて、はの桁数を知るためのツールだった。
指数が3なので1を足すと桁数になる。だから桁数は4。
実際は1024で4桁だ。
同じように、は31桁だと暗算できる(100x0.3+1)。
補足:の2の部分の指数は1が隠れており、実際はそれが前に降りてきて計算されている。
なぜ指数は前に下ろせるか?
なぜ指数は前に下ろせるのだろう?
順番に見ていこう。
上記をみてわかるように、最初に右肩に乗っていた指数は前に降りてである1が掛けられている。
をにして同様に考えてみると…
10を約0.3乗したら2という意味
なぜ底の10と真数の2が一致していないのに指数の3を前に下ろせるのか?
まず混乱していけないのが、は全体を3乗しているわけではない。
それだとなので、となり、0.027となってしまう。
つまりのことでない。
3乗という指数は真数の2にかかっていているので真数は8。8をと表現しているだけ。
つまり、は、のことであって、10を何乗したら8になるかを聞いている。
その答えがというわけだ。
さて、なぜ指数が前に下ろせるのか?
指数法則の基本公式に答えがある。
これはをn回かける意味。
ここで、は指数のことなので、mに該当する。
何度も言うように、logが指数を見つける記号ということを理解していないと、が、のmに該当することに気づけない。
の2の右肩についた3はnに該当する。
nがmの前に降りたのがわかるだろうか?
nの3はmであるに掛けられている。
よってとできるのだ。
logをとる意味
logをとる(対数をとる)意味は、指数を前に下ろせることである。
なぜ前に下ろすとよいかといえば、計算しやすいからである。
①指数を前に出して計算しやすくするため
②指数が降りた数の指数は1になる。つまり1次式で簡単になる。
指数があって計算しずらい時は、logをとって指数を下ろしてみると指数の意味が捉えやすくなる。
このlogの発明によって天体の計算が飛躍的に向上した。
注意!
①
②は
①のと②のとは違うので注意。