xy軸とは?
点を拡大すると円に見えるが部分を持たないので、点とは直径0の円みたいなものだ。
といってもイメージしづらいと思う。
しかし、想像物である数学だと割り切って強引にイメージしてほしい。
その点を1円玉のような円と見立て、その端を指ではじくと回転している球のようにみえる。
直径がない円を回転させたので、その球も直径は無い。もちろん上下方向の厚みもない。
そのような大きさのない球で空間を作ってみよう。
まずはそれを東西に並べていくと幅がない長さだけの線が出来る。
これを仮にx軸と呼ぼう。
次に球を南北に並べる。
それを仮にY軸と呼ぼう。
次にx軸、y軸の一つ一つの球を東西南北に複写していこう。
すると高さを持たない平面ができた。
これをxy平面と呼ぼう。
イラストには球の間に隙間が見えるが、そもそも大きさを持たない球なので隙間はない。 東西南北が埋め尽くされたので、今度は上下(高さ方向)に球を並べよう。
これを仮にZ軸と呼ぼう。
そしてxy平面をz軸方向にも複写していこう。
すると部分を持たない球からできた不思議な3次元空間ができた。
イラストが下手でごめんなさい。
現実の感覚からすると不思議な世界だが、数学は想像物だから思考できるものは何でもよい。
さて、ここまで準備して関数の話をしたい。
関数とは?
そもそも関数とは何だろう?
どんな数が関係しているのか?と考えても、意味は見いだせない。
関数はf(x)で表わされる。
エフエックスという。
fに(x)がかけられた、という数ではない。
fは英語でfunction。機能とか作用とか働きを意味する。何を機能させるというのか?
とも言われるが、なぜyなのか、まったく意味がわからない。
とは何なのか?
説明を続けよう。
先ほどの空間に敷き詰められた大きさのない原点0の球にあなたがいるとする。
あなたはx軸の東1という場所に移動した。
矢印で描くと図のようになる。
これをと表現するとする。
次に東2に行った。
これはになる。
x軸だけの動きならこれで終わり。
f(x)のxに移動した数を入れただけの話。
関数は関係性
は関数と言われる。
関数と言うからには、何らかの関係性があるはず。
x軸と関係がありそうなのはy軸かz軸。
そこで話をわかりやすくするためにx軸とy軸だけで考えてみよう。
最初あなたがx軸の東1に行った時、y軸上ではどこにいただろうか?
0である。
そのことをと表現する。
右辺の0は、y軸上の0という場所にいることを意味する。
だからというのは、xが1の時のyの位置を示している。
単にyの位置が0と表現したい時は、y=0でよい。
という記号はいらない。
一方、x軸とy軸の2つの関係性の中で、
「xが1の時、yはどこか?」を表現したい場合、
となる。
「xが1の時、yはどこか?」を聞かれた時に、
単に、未知数xだけで表現できない。
x=?
xだけでは、何を聞いているのかわからない。
聞いているのは、yの位置。
その時の条件が、xが1にある時。
これが関数の意味である。
だから、xy軸においては、と表現できる。
xz軸なら、。
xがある値の時のzの値を聞いている。
ある値を代入した時の、もう一方の値を知ること
関数と方程式の違い
のことを、はyと同じと習う。
では、同じなら、関数は方程式なのか?
方程式とは=で結ばれる式。
左辺と右辺が等しいという意味。
しかし、の=の意味は、
「ある値をxに入れた時のyの値は」
という意味に近い。
=をイコールと呼ぶか、「は」と呼ぶかでニュアンスが違う感じがわかるだろうか。
イコール=を使うと、関数=方程式と誤解させやすい。
しかし、=以上に、関数のニュアンスを伝える記号がいまのところないので、仕方ない。
方程式は英語でequation。すなわち左右の値が等しいという意味。
方程式はxとの関係性においてyの値を聞いているわけではない。
たとえばx=1は、単にxが1に等しいと言っているに過ぎない。
その1という値は、他の値との関係性において決まったわけではない。
そこが方程式と関数との違いでもある。
なぜは混乱するのか?
関数の記号が混乱しやすい理由は、自体が、yの未知数を聞いているのに、のかっこの中のxも未知数だと思い込んでしまうからである。
のxは、未知数ではない。
単に、yの値が決まる時のxの状態にすぎない。それを変数という。
どんな値に変化させても良い数字だ。
xというアルファベットを、未知数の意味でも、変数の意味でも使われているので、混乱するのだ。
「わからないものはxとおく」という「xは未知数だ」という先入観を取り去れ。
が聞いている答えは、xy軸との関係性でいえば、あるxの時の、未知数yである。
補足:xyzの3軸でxとyの値を入れた時のzを知りたい時は、と表す。は難しそうにみえが、と考え方は同じ。
条件として代入する数が1つから2つに増えただけ。
このと、座標点(x,y)は別物。
ベクトルとは
さて、一度原点に戻ろう。
今度は北東に1に進んでみよう。
この時、xは1、yは1にいる。
これをで表現すると、
のxに数字を代入する意味は、yという未知数を知るためにはxの位置情報が必要というわけだ。
xが1、yが1にいることを(x,y)=(1,1)と表現する。
座標という。
この(x,y)の場所は、矢印で指し示せる。
その矢印を「ベクトル」という。
ベクトルは次元に関わらず、あらゆる場所を指し示めす。
その指し示す場所とは、の解でもある。
関数がベクトルで表現できるのは、関数の特徴で、xが決まればyが決まるという1対1の関係性があるから。
ベクトルはなぜ便利?
今、あなたが、x=1、y=1の場所にいたとする。
関数で表現すれば、
である。
それを座標で表せば、(x,y)=(1,1)。
今、原点0から(1,1)を指し示すベクトルとAと置く。
そのベクトルAを2倍すると(2,2)という位置に移動する。
なんと、2倍という1回の処理で、xとyという2要素の数字を同時に変化させることができた。
ベクトル表記
ベクトルはxyの座標点を示す(1,1)と区別するため縦表記する。
上段がxで下段がyの値を表す。
ベクトルの数を増やせば列が増える。
今度は、この2行2列のベクトルの集合体をまとめてBとする。
Bを2倍すると、2つのベクトルが一気に変化できた。
今回は、2倍という1回の処理で、4つの値を一気に操作できた。
こういった、複数の要素を一気に計算して分析できることは、経済学、物理学、生理学、経営学等、多くの分野で役に立っている。
3次元のベクトル1本を表すときは、縦に値を増やす。
4次元、5次元と増やして表現できる。
人間は4次元をイメージできないが、数学空間では可能となる。
【余談】この世は10次元+時間の1次元=11次元と言われているが果たして…。