y=1は、なぜ下記のようなグラフなのだろう?
y=1であれば、yは1しかないように見えるのに、なぜ線なのか?
この疑問は、関数と方程式の違いの理解度から来る。
さて、まず座標の考え方を確認しよう。
x軸だけの数直線は下記のようになる。
ここで、座標(x)=(1)なら、以下を表す。
同様にy軸だけの数直線は
ここで、座標(y)=(1)なら、以下のようになる。
x軸とy軸を合わせてxy軸を作ると、
となる。
ここで、座標(x,y)=(1,1)なら、以下のようになる。
xが1行って、yに1行くイメージだ。
xが2、yが2、つまり、座標(x,y)=(2,2)なら
となる。
の意味
さて、関数のと、方程式y=xは似ているようで意味は違う。
「方程式」は左辺と右辺が等しいという意味。
したがって、y=xの意味は、xとyが等しいという意味。
xが1ならyは1だと言っているにすぎない。
一方、関数は、xy軸において、xにある値を入れた時のyの値。
したがって、はyのことだから、
が成り立つ。
よって、方程式y=xのyをと入れ替えると
という関数が成り立つ。
の左辺のxに1を入れてみる。
とは、xに1を入れた時のyの値。
そのyの値がxだと言っている。
つまり、y=x。
xに1を入れると、yも1になる。
座標(x,y)=(1,1)をベクトルで示すとイラストの黒い矢印になる。
xが1に対してであるyも1ということは、
y:x=1:1。
1:1とは、なのでは傾き1を表している。
なら、xが1に対してyは2変化する。
なぜなら、とはxに値を入れた時のyの値だから。
xに1を入れると、は、となり、となる。よって、となる。
つまりy:x=2:1
2:1==2。
つまり傾き2を表す。
傾き2とは、xが1変化したら、yは2変化するという意味。
未知数、変数、係数、定数とは?
傾きを表すこののxの左につく数を「係数」とよぶ。
xにかかっているので係数。
それは同時に定数でもある。主にaで表現される。
一方のかっこの中のxは、いろいろな数字を代入できるので「変数」という。
未知数、変数、係数、定数にいろいろなアルファベットが使われているので、混乱するだろう。
整理しよう。
未知数x
数学では、わからないものは一旦xと置く言われる。
慣習としてxは未知数を表す。
変数
一方、の時は、xが変数として使われている。
変数は未知数ではない。
変数とは、自分でいろいろ変えて代入できる数。
同じアルファベットxを、未知数と、変数という2つの違う意味で使うから、わかりにくい!
のかっこの中の記号はxが大半だが、
時間の変数では、tがよく使われる。timeのt。
角度の変数であればθ(シータ)が使われる。
係数である定数
では係数とは何か?
上記でxの左の数は、1,2,3は、xにかかっているので、xの係数。
同時に、1,2,3は定数。
定数とは、定まった数。1なら1。2なら2ということだ。1だと言っているのに、2を意味することはない。
この定数は「どんな数」でもよい。
その「どんな数」を表現したい時に、aを使う。
aは定数であり、xという変数に係っているので、同時に係数でもある。
「係数」には、a、b、cがよく使われる。
疑問:ところで、aもxもアルファベット。だからaの代わりにxで表現してもいいのか?
それをすると、のaxがxxとなり、xxはとなってしまう。
当然、axとは値が違うからダメ。
と、の違い
さて、は、xy軸において、xに、ある値を入れた時のyの値のことだった。
念のための確認だが、xy軸が、xz軸なら、となる。
では、次の違いは何だろう?
まずのxに1を入れてみる。
xに2を入れると、
つまり、xにどんな値を入れても、答えはy。
当たり前のことを言っているに過ぎない。
そもそもとはそのyを求めるものだから。
では、はどうだろう?
xに1を入れてみる。 左辺のf(x)のxに1を入れ、右辺のxにも1を入れてみる。
すると、
とは、xを代入した時のyの値のことなので
つまりxにどんな値をいれてもy=1。
グラフで表すと下記になるか?
これは間違いである。
どこが間違いか?
で
右辺のxに1を入れただけで、それを全体の式にしてしまったことである。
まず、そもそも下記は意味が違う。
またについて、
xに1.2.3と代入すると、下記のようになるのに、一番上のが答えだと勘違いしたところにある。
の記号の意味は何であったか?
xy軸でいえば、とは、のかっこの中のxに、ある数を代入した時の値であって、それはy軸の値のことである。
よって、右辺のxは、yの値である。
xなのにyの値!
は、のこと。
のかっこの中のxは「変数」。
一方、
の右辺のxは、変数ではなく「yの値」
同じアルファベットxなのに、「変数」と「yの値」の意味で使われている!
y=1とは?
では関数が初めからならどういう意味になるか?
この関数は、xにどんな値を入れてもyは1だと言っている。
これこそが、
つまり、y=1のグラフである。
これで、下記の3つの違いはわかっただろうか?
という記号は、そもそもどんな未知数を聞いているのか?
それは、xy軸において、xに、ある値を入れた時の、yの値である。
では、ではなく、y=1という方程式ならどんな意味になるか?
それは、単にyが1だと言っているにすぎない。
関数のように、xに、ある値を入れた時のという条件は入らない。
単にyは1と言っているだけ。
とは何か?
では次に、yの値を変化させた時に、xはどうなるか知りたい時の式はどうなるか?
同じ理屈でいえば、になる。
xy軸が逆になっただけ。
が求めているのは、yに、ある値を入れた時の、xの値。
xy平面がyx平面になっただけ。考え方は同じである。
yは縦、xは横、と思い込んでいると、この話の意味は理解できないだろう。
yが横軸、xが縦軸でもよい。
とは
では次のようなグラフはどのような関数で表されるか?
これはyにどんな値を入れてもxが1という意味なので、となる。
の( )の中がxからyに変わっているのがわかるだろうか。
xy軸において、が聞いているのは、xの値。
だから
方程式x=1のグラフとは、の関数グラフのことである。
は、とは逆で、yを変数として、xの値を求めている。
以上のように、関数の意味、変数の意味が理解できれば、のかっこの中にどんな変数がきても問題ないだろう。
xy軸、yz軸、tz軸 θy軸、なんでもよい。
とは?
でははどんなグラフか?
は、xにどんな値を入れてもyは0と言っているので、x軸上の値に他ならない。
とは
でははどうか?
同様に、は、yにどんな値を入れてもxは0と言っているので、y軸上の値に他ならない。
とは?
ではとはどの領域か?
は、xにどんな値を入れてもyはプラスと言っているので、x軸の上すべての領域を示す。
なぜか?
y軸だけで見るとよくわかる。
0より上はプラスだからだ。
とは
x>0も同様、とは、yにどんな値をいれても常にxは0以上なのでy軸より右の領域すべてを表す。