交点はなぜ解になる?

x軸上の交点

関数グラフとx軸との交点は解になる。

 

なぜだろう?

 

そこで、まず f\left( x\right) =x^{2}を準備する。

 

 

 f\left( x\right)とは、xに、ある値を入れた時のyの値

 

だから f\left( x\right)=y

 

よって、 f\left( x\right) =x^{2}は次のようになる。

 

 f\left( x\right) =y=x^{2}

 

 

 f\left(x\right)=0とは、xに、ある値を入れた時のyが常に0という意味。つまりx軸のこと。

 

 「f\left(x\right)=0」=\text x軸

 f\left(x\right)=0とは、y=0のこと。

 

よって、以下の2つの関数は、


 f\left( x\right) =x^{2}

 f\left(x\right)=0

 

以下の2つの方程式となる。

y=x^{2}
y=0

 

この連立方程式を解くと、

 

 x^{2}=0

 

よって、

 x=0

 

それが、 f\left( x\right) =x^{2}のグラフとx軸との交点である。

つまり、(x,y)=(0,0)

 

 

 

 

 

では、交点がはっきりわかる f\left( x\right) =x^{2}-1でも見てみよう。

 

x軸に交点が2つある。

 

この交点のx軸は、1と-1である。

 

 

 y=x^{2}-1y=0であるx軸は交差している。

 

 y=x^{2}-1のyに0を入れると、yが0の時のxの値が求まる。

 

 

計算すると、

 0=x^{2}-1

 

 x^{2}=1

 

2乗して1になるのは、1と-1。

 

たしかに、x軸との交点になっている。

 

 

 

 y=x^{2}-1のyに0を入れるとは?

y=0とはx軸のこと。

 

  y=x^{2}-1は、一見1つの式に見えるが、

 

x軸(y=0)も方程式と捉えることで、下記の連立方程式を作っていることを意味する。

 

  y=0 (x軸のこと)

  y=x^{2}-1

 

ポイント

y=0とは、y=0(x軸)との連立方程式を解くこと。

 

 

y軸上の交点

では、y軸との交点はどうだろう?

 

y軸と y=x^{2}-1の交点は、y=-1となるだろうか?

 



y軸とは、 f\left( y\right) =0という関数。

 

yにどんな値を入れてもxが0。

 

つまりx=0という方程式。

 

 

xy軸において、 f\left( y\right) が求めている未知数は、x。

 

そこで、x=0(y軸)と、 y=x^{2}-1との連立方程式を解くと

 

 x=0…①

 y=x^{2}-1…②

 

y=-1となった。

 

(x,y)=(0,-1)という交点になっている。

 

交点の意味

交点があるとは、解があること。

 

 

虚数とは?

では交点がなければ、解(答え)がないということか?

 

 y=x^{2}の曲線を上に1つ動かした y=x^{2}+1で考えてみよう。

ここでy=0の時xの値は何になるか?

 

x軸との交点はないので、解はなさそうだ。

 

確かめてみよう。

 

 f(x)=\left( x^{2}+1\right)=0

 

 \left( x^{2}+1\right)=0

 

両辺に-1すると

 

 x^{2}=-1

 

ある数を自乗してマイナス1になる数。

 

そのような実数はない。

 

従って実数において、解(答え)はない。

 

 

 

今まで説明しているxy座標は実数の中での話。

 

数には、実数以外に、虚数という領域もある。

 

ルートの中がマイナスの値を虚数という。

 

自身をかけてマイナスになるという不思議な世界。

 

イメージしにくい世界であるが、虚数の世界まで解の範囲を世界を広げると虚数がある。

 

虚数は虚構の数ではなく、実用的に使われているリアルな数だ。

 

補足: \sqrt{-1}虚数 iで表現する。

 i \sqrt{-1} よって、 i^{2}=1 

 i \times i =\sqrt{-1} \times \sqrt{-1}=1

 

 

 

数の概念

ところで実数とは何か?

 

人は数の概念を広げてきた。

 

1.2.3と指で数えられる「自然数

 

自然数に0とマイナスを含めた「整数」

 

次に「分数」や「小数」

 

分数の中でも、整数で分母分子が構成される有理数」(分母が0の時だけは除く)

そうでない「無理数

 

それら全体を「実数」と呼ぶ。

 

実数の世界にない数が「虚数

 

実数と虚数を合わせて「複素数

補足:上記の概念が曖昧だと、問題文を読んだ時に、その用語を見ただけで難しく感じる。特に、有理数無理数の違い。

 

 

有理数無理数の違い

無理数は、何が無理かといえば、比で表すことが無理と言っている。

 

有理数は英語でrational number。

rationalは合理的という意味があるが、語源のratioとは割合。

つまり、比がある数だと言っている。

 

 

一方、無理数はIrrational(=not rational)

つまり比で表せない数と言っている。

 

 

有理数とは、0を除く整数で表せる数のこと。

 

無理数のように数が永遠に続くと、1に対する比が確定できない。

 

たとえば

 

 \dfrac{\sqrt{2}}{1}

 

これは、

 

 \sqrt{2}:1で、1に対して \sqrt{2}という比に見える。

 

しかし、 \sqrt{2}は終わりなき数だから、1に対する比が永遠に定められない。

 

いやいや、 \sqrt{2}で確定しているでしょ?

 

と思うかもしれないが、 \sqrt{2}という数は無限に測れる計量器があったとしたら、永遠に数字が確定されない。

 

 

 

一方、0.111…や0.222…のような循環小数も、終わりなき数に見えるがちゃんと、 \frac{1}{9} \frac{2}{9}という整数のコンビネーションで表せる。(だから、有理数というのだが…。 \frac{1}{9}は1:9  \frac{2}{9}は2:9という比で表せる。)

 

整数1も確かに、1.000と0が続いてはいえるが、たとえば、整数の1は、1で完結している。計量器にのせても1.000…と表示され計量は終わる。

 

 

 

方程式同士の交点

 f\left( x\right) =x f\left( x\right) =1

x軸やy軸を方程式とみなして交点を求めることができた。

 

とうぜん、次の2つの関数でも交点が解になりそうだ。

 

 f\left( x\right) =x

 f\left( x\right) =1

 

つまり、方程式でいえば、

 

y=x

y=1

 

 

 

2つの連立方程式を解くと

 

x=1

y=1

 

2つの方程式の交点は(1,1)と求まった。

 

 

 

 f\left( x\right) =x f\left( y\right) =1

 f\left( y\right) =1とは、yにどんな数字を入れてもxが1。

 

つまりx=1の線。

 

同じく連立させるだけ。

 

 y=x

 x=1

 

よって

 

x=1 y=1

 

交点は(1,1)。

 

 

以上のようなxy座標は哲学者でもあり数学者でもあったデカルトが考えた発明品。

 

これにより、交点を求めるだけでなく、形や物の動きが数で表せるようになった。

 

いわば、形で未知数を解く「幾何(きか)」と、数や記号で未知数を解く「代数」の融合である。

 

蛇足:幾何という訳はわかりにくい。

 

要は、

 

図形的なアプローチ⇒ 幾何

記号と数を使ったアプローチ⇒ 代数

 

アプローチとは、未知数を求めること。数学は、未知数を求める学問。

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