積分記号とd
積分記号は∫(インテグラル)とdをセットで使う。
たとえば、を積分する時は以下のように表す。
これは、何の未知数を求めようとしているのか?
積分とは
1.次元を一つ上げる
2.特殊な見方
よって、という2次元の値を、3次元で見た時の値を知ろうとしている。
1次元上げる物の見方なので、1次元上げる性質がかけられているはず。
それがdxである。dxの具体的な意味は後ほどする。
また、積分という特殊な見方をしてくださいという指示は∫とdより判断できる。
まずは答えから見てみよう。
=。
操作としては、指数を一つ増やし、増やした指数を分母に持ってくるだけ。
∫やdという記号ないと、は単に掛け算になってしまう。
積分は、単に二次元のに一次元のをかける操作ではない。特殊な見方が必要なのだ。
dxは略さず書くと。
指数は次元を示すので、1次元の性質を持っていることがわかる。
掛け算とはかけるものの性質を付与するので、1次元増えるわけだ。
注意:の指数の1は、1次元の線という意味もあれば、それを掛け算すれば、1次元増やすという意味にもなる。
dとは?(ディー)
dは最小変化を表す。
たとえばtが時間なら、tにdをかけたdtとは、ほぼ0に近い時間の最小変化を表す。
ある点から0.00000000…1と限りなく0に近い最小変化を表す。
0.0000001という定数ではなく最小の変化の値である。
ここが大事なポイントである。
変化の中にいろいろな数が含まれるのに、なぜ変化が値になるのか疑問に思うかもしれない。
たとえば、1から2への変化の中には、1.1とか1.3とかいろいろな数字があるのに、なぜ無数にありえる値を記号で表現できるのか?
というより、その変化そのものを記号で表現したのがdであり、それが数学のアイデアである。
dはどのくらい最小か?
世の中の最小なものにプランク定数がある。
0が34個もある小ささであるが、dはそれより圧倒的に小さく、かつ、定数ではなく、最小区間を持つ変化値である。
dは最小変化の区間的な値であって、1秒や2秒のような地点的な値ではない。
点と区間の違いはわかるだろうか。
0は拡大して見ても0地点だが、dは拡大してみるとほぼ0に近い最小変化が見てとれる。
注意:dは0という原点に近い意味ではなく、1でも1.5でも2でも、その付近におけるほぼ0のような最小変化を表している。
dは最小区間という最小変化を表している。区間という長さを持つ時点で、1次元の性質を内在している。
だからdは必然的に1次元の性質を帯びることになる。
もっと具体的に言えば、幅を持つということは、次元を一つ上げるということだ。
0次元の点がdによって幅を持てば、1次元の線になる。線が自身の線と違う向きに幅を持てば2次元の面になる。
dという記号自体は最小変化を与える性質があるだけで、そこに数字や単位が掛け合わさって意味を持つ。
よって、例えば時間tの最小変化を表したいのならdtとなる。
dtはtにdをかけた値に見えるが、意味としてはtの最小変化を表すので、dtを一体化された記号として扱う。
dとΔデルタとの違い
d以外の変化を表す記号に△デルタがある。
xの変化を表現するΔx(デルタエックス)。
これも1つの記号として扱う。
たとえばx軸で、0から1までの変化を1とすると、Δx=1と表現する。
これはx軸の1という場所を示しているのではなく、0から1までの変化を示している。
dxとの違いはdは限りなく0に近い最小変化を表すのに対してΔはそれ以外の変化を表す。
Δxも変化の量を表す便利な記号。xの変化という未知数をΔ記号で表しているにすぎない。
例えば、x=5はxが5の地点であるが、Δx=5であれば、変化量が5なので、0から5、1から6、-1から4など、変化量が5の区間を表す。