積分操作

積分は何を1次元上げるのか?

積分は一次元上げる見方。

 

では何を1次元上げのか?

 

dの右の記号の要素である。

たとえば、dxならx。drならrである。

 

オレンジの中に、そのxやrがあるかである。

しかし、上の式のオレンジ内にxは見当たらない。

 

では、オレンジ内の1という数字は、xが姿を変えたものなのか?

 

そうである。

 

では具体的に見てみよう。

 

 

 

教科書に書かれてないこと

教科書で \int 1dr \int drの答えはrとなっている。

 

略さず書くと r^{1}だ。

補足:指数の1は1次元を表している。 以後rに指数が無い時は1。

 r^{1}とは1次元の線を意味する。

 

次元が一つ上がって1次元の r^{1}になったので、積分の前は0次元。

 

0次元とは指数が0

 

つまり、 \int 1drにある1の指数は0である。

 

 

では、 1^{0}である点が1次元の線になったのか?

 

違う。

 

 r^{0}という点である。

何かの0乗は1。よって、 1^{0}=1=r^{0}

 

drが作用するのは、この r^{0}である。

 

はじめから \int r^{0}dr書いてくれれば親切なのに、数学は効率重視。余計な事は書かないので非常にわかりにくい。

 

 \int 1drであれば、 r^{0}が姿を変えた1である。

 \int drは、その1すら消えてしまっているが、隠れて見えない r^{0}である。

 

積分されるのは、この r^{0}という点である。その点がdrで積分されて r^{1}という1次元の線になるのだ。

 

そこで、 \int r^{0}drの中の r^{0}をdrという積分メガネで見ると、 r^{0}の指数の0は1増え1となり、その増えた次数を分母にもってくるので、

 

 \frac{1}{1}r^{1}=rとなる。

 

なるほど、0次元の点 r^{0}積分メガネで見ると r^{1}という線に見えるというわけだ。

 

 

最小線って長さはあるの?

drとは、1次元の性質をもった最小線を表している。

 

最小線なので、長さはほぼ0である。

 

 

ところで、 r^{1}というのはまだ具体的な長さをもっていない。1次元の性質をもった線であることだけを意味している。

 

そして r^{1}という線の長さを決めるのが、∫が指定する区間。それを積み重ねると、具体的な長さになる。

 

∫が指定する区間とは、∫の上下に表される数字の区間である。 たとえば、0から1までの区間であれば、

 

  \displaystyle \int_{0}^{1} r^{1}dr と表現する。

 

計算のやり方は簡単。  \int_{0}^{1} r^{1}dr の答えはrだった。 そのrに、∫の上にある1を代入したものから、下にある0を代入したものを引けばよい。 よって、1-0=1となる。

 

∫が指定する区間においてrは1という線になった。(定積分)

区間を指定しなければ単に1次元の性質をもった r^{1}という線である。(不定積分

 

2という線にしたければ、 \int_{0}^{2} でもよいし、 \int_{1}^{3} でもよい。

 

このインテグラルが指定する区間の計算は、かけているのでなく、足し合わせている。だから指数の次元は変わらない。

補足:積分という言葉のイメージから、いかにも∫が掛け算のイメージがするが、∫は、dxやdrで積分された答えを区間分足し合わせているにすぎない。

 

 

0次元の点 r^{0}が、積分操作によって1次元の最小線 r^{1}になるイメージはできただろうか?

 

 

練習問題

では一つやってみよう。

 

 \int 3drは?

 

drはどの値を積分しているのか?3か?

 

3は 3\times r^{0}に分解できる。

 

すると式は、 \int 3r^{0}drとなる。

 

3にdrは作用しないから、そのまま∫の外に出せる。よって 3\int r^{0}drになる。

 

 \int r^{0}dr積分メガネでやった通りrになる。

 

よって、 3\times r=3rとなる。

 

 

 

 \int ydx \int xdxの違い

上記がわかると \int ydx \int xdxの違いもわかるだろう。

 

 \int ydx のyはdxの積分対象ではない。よって∫の外に出せる。dxにかかるのは、見えていない x^{0}という1。

 

よって、 \int y^{1}dx^{1}= y^{1}\int x^{0}dx^{1}

 

答えは x^{1}y^{1}、つまりxyとなる。

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