次元が上がるとは?

次元が上がるとは?

1次元の線である r^{1}をrで積分して二次元で見てみよう。

 

やり方は積分メガネで説明した通り、 r^{1}の指数の次元を1つ上げて、それを分母にもってくる。

 

 \int r^{1}dr=\frac{1}{2}r^{2}となる。

 

\frac{1}{2}r^{2}とはどういう意味なのか?

 

これは、1次元の線 r^{1}が、積分操作によって2次元という新しい次元に変化して、その変化が作る三角形の面( \frac{1}{2}r^{2})を意味する。

 

補足: r^{2}なので、正方形のイメージがする。半径rにかけられたのはdrというrの最小変化だが、次元が増えると \frac{1}{2}r^{2}、つまり正方形の半分という三角形となるから不思議だ。

 

 

 

なぜ \frac{1}{2}なのか?

 \frac{1}{2}r^{2}とはまさしく三角形の面積。

 

 

 

 

 

 

 

1次元の線は、その線上を飛び出すと三角形が形成される。三角形は面であり二次元である。

 

 

もともと2次元に住む者は面 r^{2}のすべてが把握できるが、1次元から積分メガネで見る者は、その半分しか見れないというわけだ。

 

この積分後に出てきた \frac{1}{2}r^{2}も具体的な大きさは示されていない。

 

線の時と同様∫が指定する区間 \frac{1}{2}r^{2}という三角形の面を積み重ねると具体的な大きさがでてくる。

 

たとえば0から1までなら、 \int_{0}^{1} r^{1}dr となり計算すると、 \frac{1}{2}1^{2}-\frac{1}{2}0^{2}=\frac{1}{2}1^{2}

 

単位がcmであれば \frac{1}{2}\text cm^{2}となる。今は単位がないので、ただの \frac{1}{2}となる。

 

 

 

髪の毛と積分

さて、髪の毛で考えた円の面積の話を覚えているだろうか?そこではこんな話をした。

 

半径を円周でかけ合わせることで、円の面積は作れないだろうか?

 

計算するとrx2πr= 2\pi r^{2}となり円の面積 \pi r^{2}の2倍となって答えは合わなかった。

 

なぜ答えが合わないのか?

 

ヒントを得るために曲線について考察してみよう。

 

 

 

曲線とは?

円周は曲線である。

 

曲線は直線ではない。

 

直線は1次元。

 

曲線が直線でないということは、曲線は1次元でない。

 

曲線とは、1次元の線上から新しい次元に移ったもの。

 

だから、曲線は2次元。

 

2次元は面。

 

2次元は指数が2。

 

 f(x)=x^{2}は指数が2。

 

 

グラフは曲線という線に見えるが、指数が2なので、2次元の面を表している。

 

え?

 

曲線なのに面?

 

つまり、面を線で表現すると曲線になる。

 

ところで、円周も曲線。

 

曲線とは、直線が連続して折れ曲がったもの

だから、円周に2次元が隠れているはず。

 

 r^{1}という半径の線(1次元)が、その半径の線上を飛び出して、円周方向に最小変化するたびに、三角形の面が形成される。この三角形を重ねたものが円になる。

 

円の面積の公式は x^{2} \times y^{2}=1

 

たしかに、指数が2だから、2次元であり、面である。

 

 

 

半径は四角形なのか?

ところで、半径を円周でかけると円の面積は2倍になってしまった。

 

rx2πr= 2\pi r^{2} 

 

円は三角形で出てきていたが、三角形を2倍すると四角形になる。

 

つまり、円の面積が2倍になってしまったのは、半径を短冊のような四角形と捉えていたからなのか?

 

しかし、ユークリッドの定義によれば線は幅を持たない

 

実際、線を短冊の面と考えると円は作れない。

 

なぜなら

 

1.中心に空洞が発生し

2.円周がとぎれとぎれとなるから。

 

 

また、線を短冊と考えると中心部分で重複が発生する。

 

 

このように、短冊では円は描けない。

中央部分に空洞が発生し、円周も、とぎれとぎれとなる。

 

円の捉え方の一つとして、円とは2次元の面であって、それは1次元の半径が積分によって円周方向に変化した時にできる三角形の積み重ねで構成される。

 

 

 

幅のない線が面積?

円の面積\pi r^{2}が、

 

半径r x 半周πr

 

の掛け算でうまくいったのは、半径を直径と見立て、半周させた時だった。

 

線は幅がない。だから積み重ねても面積にならないはず。

 

しかし、なぜ面積になれたのか?

 

それは、半周πr側にもrという1次元の長さ要素があるから。

 

半径のrと、πrのrを掛け算すると、 r^{2}の2次元の面になる。

 

 

余談:円の面積を分割した、 r \times \pi rを改めて眺めると、円とは、1辺がrの正方形を3.14倍したものともいえる。(下記は積分していない。単なる掛け算。)

 

すなわち、 r \times r \times \pi

 

 

円を正方形の3.14倍と捉えると、円は三角形で構成されてもいるが、四角形の短冊でも構成されているともいえる。不思議だ。

 

 

ところで、上記の余談の話であるが、

半径rをrで積分した時と見比べよう。

 

 \int r^{1}dr=\frac{1}{2}r^{2}

 

積分とは、次元を上げる見方。

 

1次元のrという線が2次元方向に最小変化した時、その2次元の面は、

 

 \frac{1}{2}r^{2}

 

この最小変化はほぼ0のような変化なので、ほぼ同じにみえる。

 

つまり、

 

1次元の r と2次元の \frac{1}{2}r^{2}は、最小変化においてはほぼ同じ。

 

 r(1次元)=\frac{1}{2}r^{2}(2次元)

 

不思議な感じがしないだろうか。

 

特に1までの変化を指数を変化してみていくと、高次元の方が値が小さい。単位が入ると見方は変わるが、単位がない範囲においては高次元の方が小さいといえる。

 

 

微分積分は次元を変えて物事を見ているにすぎないが、それぞれの次元で違う形に見えるのは、少なくとも低次元で、最小変化dという動きがあるから。

 

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