積分の係数の意味
積分した時、なぜ係数の分母に1つ増やした指数の値が来るのだろう。
1次元の線であるxが積分で2次元に変化した時、という三角形のような値になる。
これは、1次元の線が二次元を見ると、その半分しか見れないことを意味した。
同様に、2次元のである面が3次元に変化した時、という四角錐の性質を帯びることになる。
これは2次元の面が3次元を見ると、そのしか見れないことを意味する。
同様に、0次元のである点が1次元に変化した時、という線の性質を帯びることになる。
これは0次元の点から1次元を見ると、線すべてを把握していることを意味する。
積分した時に、指数を+1して分母に持ってくる意味は、今の次元からみて、高次元がどのくらい把握できるかを表している。
整理してみよう。
0次元の点と1次元の線との関係
まず0次元を積分した1次元との関係を見てみよう。
注意:0次元をxy軸を使って説明しているが、0次元は点なので、そもそも軸という1次元の概念はない。便宜上の図であることを頭の片隅においてほしい。
0次元のグラフは下記の右のグラフ。
y=1のグラフに見える。が、これは1次元の線の話ではない。
0次元の点が1という意味
では、xがどんな値でも1になるとは、どういう意味か?
0次元とは指数が0。つまり0乗のこと。
何かの0乗は1。
1とはxを0乗したときの値である。
xがどんな値であれ、0乗は1になる。
1という点を繋げると線に見える。
xの変化に対してyは1から不動なので、yの変化は常に0。
だから、傾きは0
「傾き」とは、xの変化(分母)における、yの変化(分子)。
分子が0なので、0÷何か=0。
よって、傾きは0。確かに、横一直線になっている。
次がポイントであるが、傾きが0といってもyそのものが0といっているわけではない。
yは1という大きさを持っている。
では0次元における1という変化は、1次元ではどう見えるか?
それが、左のグラフである。
0次元における1という変化は、左の1次元のグラフのの係数の1、つまり「傾き」である。
低次元の変化量は、一つ上の高次元の傾き
1は、をはじめ、やと自在変化できる。
0乗が1、つまり0次元が1という意味は、0次元において、xが最小変化した時、常にそこに1という変化が生じる。
そして、その1は、1次元におけるどのxの変化においても、その傾きが1であることを意味する。つまり、xの変化とyの変化が同じという意味である。
グラフの見た目に騙されない
もう一度同じグラフを見てみよう。
左の1次元のグラフは、右の0次元のグラフを積分した姿。
右のグラフは線にみえるが違う。
単に、1という大きさをもった点の連なりにすぎない。
xy軸でみると、いかにもxがどの値でもy=1のグラフに見えてしまうが、そうではない。
xy軸という軸は、長さをもった1次元の話。
点は0次元だから、そもそも長さを持たない。
点の中で起きている変化を便宜上xy軸で表現しているだけある。
点の中で起きている変化とは、x軸もy軸もない0次元で起きている変化のことである。
点とは部分無きものなので、目には見えない。
点の中で1という変化、イメージできるだろうか?
点とは部分無きもので、本来、目に見えないことを、イラストを使って説明しているので誤解しやすいので注意。
点とは部分無きものだからといって、変化量が0という意味ではない。
もしも点が変化量0なら、積分しても線にならない。つまり0を積分しても0になるだけ。
0次元の点は1。1という変化量を持っているからこそ、そこに積分で最小変化が生じた時、1という点が1次元の線として捉えられる。
そして、点が1という変化量は、1つ上の次元の「傾き」を意味するから、45度の線が確定する。45度の線とは、xの変化とyの変化が同じという意味。
のグラフとは、xにどんな値を入れてもyはxと言っている。つまりy=xである。
よって、例えば、0次元のグラフで点が0から2まで変化した変化量2という意味は、左のグラフのxが2の時のy軸の値というわけだ。
決して、下記の0次元のグラフのような面積領域の変化量ではないので注意してほしい。何度も言うが0次元に面積という2次元の要素はない。
便宜上xy軸で説明しているので、誤解しやすいが、0次元は点の中の起きている話。
仮に、xy軸で0次元を捉えてしまうと、y=1のグラフに見えてしまうので、xが0.1変化するとyが1変化すると読んでしまう。
つまり、xが1に対してyが10変化することになる。
10という変化は、1次元のグラフの傾き10を意味する。
0次元の点が最小変化した時、1という変化が発生するが、それは1次元の線のの係数1を意味する。
そして、「1」という数は、分母と分子が同じなら成立する。
0次元の点である「1」はそういう意味だ。
だからxが0.1変化した時の、yの変化は0.1。
これを0次元の点は1だからといって、y=1のグラフの意味で捉えていると、永遠に理解できない。
補足:0次元の点が1である理由をグラフで見てみよう。
指数が分数とはルートのことだった。
たとえば、なら、
なら、
よって、0乗とは、分母が限りなく大きい時。
なら、
DESMOSというグラフツールで確認すると確かに、xがどの値でもほぼ1になっていることがわかる。
このようなグラフになる。
つまり0乗は1。
1次元の線と2次元の面との関係
次に1次元の線を積分した2次元のグラフとの関係を見てみよう。
考え方は0次元と1次元との関係性と同じである。
の1次元の線をxで積分したの面のグラフを見てみよう。
1次元の線を積分したので1次元上がって、指数が2の2次元だ。
2次元の面は、1次元の線で表現すると曲線として現れる。
曲線なのに面積を表す!
不思議な感じがしないだろうか?
短冊に隠れているもの
0次元は1という変化が、1次元の「傾き」だった。
同様に、1次元の変化量は、2次元での「傾き」を表す。
では、1次元の変化量とは何か?
が作る三角形の面積である。
具体的に説明する。
ここに、xという1次元の線がある。
この1次元の線が、積分によって2次元方向に変化し面を作るとする。
2次元方向とは、1次元の線上以外の方向。
例えば、という線で考えてみよう。
は、y=xで、xとyが同じ意味なので、xの変化と同じ分yが変化する。
1次元のxをxで積分して2次元にすると、になるので、ちょうど正方形を半分にした面積となる。
これは、xにどんな値を入れても、必ず三角形の面が表れることを意味する。
この三角形の面積が、f(x)=のグラフのyの値となる。
たとえば、xが1なら、==
xが2ならとなる。
点である1が線になった時は、その線上すべてを捉えることができたが、1次元の線が2次元に行くときは、その半分しか捉えられないことを意味する。
f(x)=のグラフで短冊であるyの値は、下位次元f(x)=の三角形の面積を表しているのだ。
すると、xが変化する度に、三角形が隠れているが、xが最小変化した時の三角形の変化量は、「傾き」を表す。これは微分の話にすぎない。
つまり、低次元の変化を高次元で見るのが積分。
その高次元で見ているものを、低次元で見るのが微分である。微分すると、低次元の変化が見え、それは「傾き」として現れる。
なぜなら「傾き」とはxの変化におけるyの変化であって、xの変化を、xが微小変化した時と言い換えると、その時のyの変化は三角形の面積の増減量にすぎない。
なぜはU形なのか?
三角形の面積そのもののは、一つ上の次元のyの値だった。
そして、三角形の面積が少し変化した増減分は、y軸の増減値となる。(下記イラスト③のオレンジの台形の増減量)
この増減量が「傾き」として現れるのであった。
下記の三角形のイラストのように、左の方にあるオレンジと、右のそれでは変化量が違う。
その変化量は、一つ上の次元の「傾き」を表すのであった。
確かに、xの場所によってyの値が違うので、傾きも違う。つまり、変化量が違う。
この各xにおけるyの変化量の違いが、Uという形を作っている。
上の左のグラフでは、全部短冊でy軸の変化を表しているが、実際は、右の三角形を等分した図のように、①は三角形の面積の変化量、それ以外は台形の面積の変化量である。