さて、次は微分の話に移ろう。
積分は1次元上げた見方。微分は1次元下げる見方である。
微分操作は積分メガネを外すだけ。
- 指数を前に下ろす
- 指数を1つ下げる。
積分が単なる掛け算でなかったように、微分も単なる割り算ではない。
補足:割り算はひっくり返してかけるので、掛け算ともいえる。
したがって、微分も積分のように掛け算のような性質がある。後ほど説明する。
さて、3次元から順次微分してみよう。
3次元から2次元
を微分するととなる。つまり、今の3次元から積分メガネを外して2次元をみれば、という面を3倍したものが見られるわけだ。
積分の時と違って、いまいちイメージが湧かない。
4次元から3次元
4次元がすべて把握できている者が3次元を見るととなるが、我々の感覚で言えばどういう意味になるだろうか?
縦横高さのが完全に把握できている状態で、さらにその4倍見えるとはどんな感覚なのだろうか?
2次元から1次元
同様に2次元のを微分すると2x。つまり、2次元という面から、1次元の線をみれば、という線を2倍したものが見られるわけだ。
1次元から0次元
同じく、1次元のを微分すると。は1。1とは何か?1次元であるという線から0次元を見ると、1という点が見える。
0次元からマイナス1次元
さらに、0次元のを微分すると、指数の0が前に来るのでで0となる。の微分はマイナス1次元であるにならない。
仮にマイナス1次元が0というなら、そのグラフにおいて原点に交点があるはず。
マイナス1次元はで。は反比例のグラフだがy=0に接するところはない。=0になるようなxは存在しない。だからマイナス1次元の解は0ではない。
よって、マイナス1次元は0ではない。
不思議なのが、マイナス1次元側から0次元へ積分する1という大きさが表れる。
マイナス次元から0次元へは、1という扉を通して入れるのに、0次元からマイナス次元には入れない。
まるで逆戻りできない扉のようである。
微分の記号とは?
さて、x(エックス)で積分したものを元に戻す場合、xで微分すればよい。
xで積分することを∫とdxで表現したが、xで微分することはで表現する。
たとえばxをxで積分することをと表現し、答えはになる。
を積分する前のxに戻すにはをで微分すればよい。微分するとは、でかければよい。
をかけるとは、微分処理のことであり、微分処理とは、最初に説明した。
- 指数を前に下ろす
- 指数を1つ下げる。
さて、
はという積分の答えだったが、それをyと置く。
すると、y=となる。
であれば、yをxで微分することをで、と表現できる。
の答えをyと置いたので、
yをxで微分したらで積分される前の値に戻る。
それはの∫の中のxのこと。
だから、とはを微分したを表している。
そのとは、の∫の中ののことである。
微分記号の読み方と注意点
の読み方はディーワイディーエックス。
上から読むことで分数と違うことがわかる。
しかし、性質は分数にとても似ている。
また、1や2のような定数でなく、「xが最小変化した時のyの最小変化」という定数とは違った、区間を持ったような値を意味するので1つの記号として使う。
なぜ分子にもdがあるのか?
微分するとは、をかけることであった。
はに分解してみるとわかりやすい。
とはxの最小変化。
後者のdはそれがかけるものを最小にする。たとえばyにかけたらdyとなる。これはyの最小変化を表す。つまりとなり、xが最小変化した時のyの最小変化を表す。それがyをxで微分する意味だと言っている。
傾き
分数とは分母の世界から分子を見ること。分数を計算するとは、分母1に対する分子の比。dxで微分するとは、分母にdxを持ってくること。つまり、dxの世界から分子を見ていること。言い換えれば、1というdx変化に対する分子の変化をみている。さらに、分子をxという視点から捉え直している。
なぜ微分は1次元下げた見方なのか?
の分母のの指数は1である。
分母の指数はマイナス乗である。
よって、
は言い換えると
。
指数がマイナス1。指数とは次元。
つまり1次元下げる性質のものをかけているので、微分すると1次元下がるわけだ。
偏微分とは?
ここはおまけ。飛ばして構わない。
偏微分は微分と同じ考え方である。
一見すると、わけがわからない。
ディーゼット ディーエックスと呼ぶ。
微分と同じ上から呼ぶ。
微分は主にxy平面の話。
偏微分はxyz空間以上の話
偏微分は
はxyz空間において何を求めていたか?
zである。つまり、あるxとyの時の、zの値である。
微分ではxの最小変化に対してyの最小変化を見たが、偏微分はxとyの最小変化の内、どちらかを固定しておいて、zの変化を見ているだけ。
xyzの3要素あるが、1要素は固定するので、その瞬間に微分と変わらない。
偏微分の記号は ラウンドディーやデルや偏微分であることが明らかな時はディーと呼ぶ。