微分の正体

このページは、数式がたくさんあるように見えるが、難しい計算はない。

 

 

 \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}とは

まず \int xdxを用意する。

 

xをxで積分するという意味だ。

 

 \int xdxの答えを仮にyとする。

補足:yと置くのは、計算しやすくしたり、わかりやすく説明するため。

 

 

dxのxと∫の中のxをわかり安く区別するために x^{1}と表記しておく。

 

すると \int x^{1}dx=y

 

 

そこで、両辺を \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}微分してみる。

 

 

 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} \int x^{1}dx = \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} yとなる。

 

 

単に \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}を両辺にかけただけだ。

複雑そうに見えて、何も複雑なことはしていない。

馴染みのない記号がたくさんあるだけ。そこは、慣れるしかない。

 

 

右辺の \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} yは、yをxで微分するという意味で \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}

 

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}の意味はわかっただろうか?

補足: \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}の別の見方

 

 \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x} \frac{d}{d} \times \frac{y}{x}と分離してみよう。 \frac{d}{d}は1であり、単に \frac{y}{x}に1をかけているだけ。

 

 \frac{y}{x}は分数。分数とは傾き。分母の変化に対する分子の変化。つまりxの変化に対するyの変化。

 

そこに \frac{d}{d}という最小変化という性質がかけられているので、xの最小変化に対するyの最小変化と捉えると微分の意味が伝わるだろうか?

 

 

 

 y=\int x^{1}dxだったので、 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}のyに代入すると

 

 \dfrac {\mathrm {d}\int x^{1}dx}{\mathrm {d}x}

 

 

これは、先ほどの

 

 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} \int x^{1}dx = \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} y

 

の左辺にすぎない。

 

 

 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} \int x^{1}dx=\dfrac {\mathrm {d}\int x^{1}dx}{\mathrm {d}x}

 

たしかに同じだ。

 

 

 

そして、 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}とは∫の中の x^{1}のことだった。

 

 

よって以下が成り立つ。

 

 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} \int x^{1}dx = \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x} = x^{1}

 

複雑そうに見えて、単に、=で結ばれた関係式を繋げただけ。

 

 

したがって、以下も成り立つ

 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} \int x^{1}dx= x^{1}

単に一番左と一番右の式が一緒と言っただけ。

 

 

上記の式の意味は単に、

 

積分 \int x^{1}dx微分 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x} すると積分する前の値に戻った」

 

と言っているにすぎない。

 

これが微分積分の逆操作という意味。

 

 

 

導関数とは?

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x} f'(x)と表現され、導関数と言われる。微分することを、 f'(x)である「導関数」を求めるという。

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}=f'(x)

 

要は、導関数を求めるとは微分してくださいという意味。

 

そして、何か微分して f'(x)となる時、その何か原始関数という。

 

原始関数は大文字で表す。 F(x)

 

何かとは、つまり微分する前の姿である。

 

 

 

微分の正体

 \int x^{1}dx x^{1}をxで積分したものだが、別の姿もご紹介したい。

 

まずは、 \int x^{1}dx=yと置く。

 

そして、

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}=f'(x)だった。

 

そこで、 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}=f'(x)の両辺を dxでかけてみる。

 

 

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}\times \mathrm dx=f'(x)dx

 

 

 dy=f'(x)dx

 

 

 

両辺をdで割ると、

 

 y=\dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}となる。

 

 

 

先ほど \int x^{1}dx=yと置いたので、

 

上の式と=で繋げられる。

 

 \int x^{1}dx= y= \dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}となる。

 

 

 \int x^{1}dxの正体は  \dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}

 

 

実は  y=\dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}積分記号を使って \int x^{1}dxと表現されるようになった。

 

では、  y=\dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}とはどういう意味か?

 

 

対比して意味をつかむ

 \int x^{1}dx= \dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}なので、対比する。

 

 \dfrac{f'(x)\mathrm dx}{\mathrm d}は、 \dfrac{1}{d} \times\ f'(x)\mathrm dxとした方が対比しやすい。

 

 

 

 

 

∫が \dfrac{1}{\mathrm d}

 x^{1}がf’(x)に対応している。

 

 

 \int =\dfrac{1}{\mathrm d}とは

では、まず \int=\dfrac{1}{\mathrm d}とはどういう意味か?

 

 

分数は分母の世界を基準に分子を見ることなので、分母dという最小変化という基準の中で分子の値を捉えることが∫と言っている。

 

一方、 \int x^{1}dxという積分記号の中にある x^{1} \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}だった。

 

したがって、 \int x^{1}dx \int  \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}dxとも表現できる。

 

 \int  \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}dxは、dxが打ち消し合って、∫dyとも表現できる。

 

∫= \dfrac{1}{\mathrm d}だったので、 \int dy=\frac{1}{\mathrm d}\times dy=y 

 

よって、 \int x^{1}dx=y=\int dy

 

 

微分積分

では∫dyはどういう意味か?

 

dyとはyの最小変化。

 

∫は \dfrac{1}{\mathrm d}なので、 \frac{dy}{d}

 

dとは最小変化。

 

分数は分母の視点から分子を捉えること。よって、dという最小変化を基準にdyという最小変化を捉えている。

 

yが1個のりんごだとすると、分子のdyは、1個のリンゴを構成する最小細胞の1つ。細胞1つを最小変化と捉えている。

 

その最小細胞(分子)を最小変化(分母のd)という視点で捉えているイメージ。

 

それが∫が指定する量まで積み足されて1つのリンゴが構成されている。

例えば、最小細胞が1兆個なら、

 

 

となる。

 

積分記号の \intは、いかにも \intが指定する区間を積み重ねる大きなものをイメージするかもしれないが、不定積分の場合は区間がない。

 

積分は、最小物から成るのである。

 

分母分子のdを約分すると、 \frac{y}{1}となって、単に1という通常の視点からyという1つのリンゴを見ているに過ぎない。

 

余談:微分するとは \frac{d}{dy}積分微分は反対。よって、積分 \frac{dy}{d}。実は積分は、分母にdが隠れていた!

 \int積分記号とdxだけでは気づかない。

 

 

 

 

今、∫dyは積分の話。

 

積分の話をしているのに、微分のように感じないだろうか?

 

 

最初にもお話したが、積分は掛け算、微分は割り算っぽいが、割り算は、ひっくり返してかける掛け算

 

だから、微分も味方を変えれば積分

 

 \mathrm dxをかける積分で次元が1つ上がる。

 \mathrm dx^{-1}かける微分で1つ下がる。

 

 

つまり1次元上げる性質をかけたものが積分

1次元下げる性質をかけたもの微分である。

 

 

 

y’は何を微分しているのか?

導関数f'(x)は、y’と表現されたりもする。

 

しかし、y’では、yを何で微分しているかわからない。

 

 \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}であればyをxで微分していることが明確にわかる。

 

確かにy’は \frac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}やf'(x)より画数は少なく効率的だが、理解するまでが非効率である。

 

 

 

2回微分とは?

yをxで2回微分するとは、 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}を2回行うこと。

 

まずyに \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}するので \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}にもう一度 \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}するので

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x} \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}

 

 \dfrac {\mathrm {d^{2}}y}{\mathrm {d}x^{2}}となる。

 

なぜ \dfrac {\mathrm {d}y^{2}}{\mathrm {d}x^{2}}ではダメかわかるだろうか?

 

式で書くとこうなる。

 

 \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}x \dfrac {\mathrm {d}y}{\mathrm {d}x}

 

とうぜん、 \dfrac {\mathrm {dy}}{\mathrm {d}x} \dfrac {\mathrm {d}}{\mathrm {d}x}は違う。

 

左の分子のdがかけているのはy

右の分子のdがかけているのは見えない1。

 

yは1とは限らない。

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