マイナス1次元と0次元の関係
0次元から3次元までは同じ関係性が見て取れた。
では、マイナス1次元から0次元への変化はどうだろうか?
まず今まで通りの流れで積分メガネを使ってみよう。
マイナス1次元のをxで積分すると という式になる。
指数の-1を1つ増やし、増やした値を分母にもってくるので、になる。
分母が0になる時は不定と言って計算できない。
よって積分メガネがいつものようには使えない。
自然対数lnとは
実は、マイナス1次元から0次元に行く時だけは、積分メガネを特殊なモードにする必要がある。
その特殊なモードを仮にネイピアモードと呼ぼう。造語である。
ネイピアとはネイピア数eのことで、2.718…と無限に続く超越数と言われる不思議な数である。
それはマイナス次元が0次元に入っていける鍵である。
ではネイピアモードでマイナス1次元を積分してみる。
=となる。
cは一旦横において、何やらという変な記号が表れた。
とは何か?
簡単である。 はエルエネと呼びlogのことである。
logは未知数の指数を知るための記号だった。
少し復習だけしよう。
とは、2を何乗したら4になるか?を聞いている。
2を底(てい)
4を真数(しんすう)
と呼んだ。
答えは2。この指数を知るための記号がだった。
指数は次元。だからは次元を知る記号ともいえる。
さて、特に底がe(ネイピア数)の時、と表記する代わりにとした。を自然対数と呼ぶ。
底の値が表記されてないので、一見すると何の意味だかわからない。
余談:の中でも、特にのものを「常用対数」と呼ぶ。
また常用対数と区別するためにlnとした。
logのように底が書いてなければ、底は10という暗黙の了解がある。
つまり、
lnはで、eはネイピア数という2.718…と無限に続く超越数である。
ならば、10を何乗したら10ですか?を聞いているので1乗の1である。
一方、とはのことで、eを何乗したらxになりますか?を聞いている。 グラフで表すとこうなる。
ネイピアモード
今、何の話だったかと言えばマイナス1次元を積分するとになるという話だった。
言い方を変えると、マイナス1次元とは反比例のグラフだったので、反比例を積分するとになるということだ。
なぜマイナス1次元が反比例のグラフか?
だから。
マイナス乗は分母に来るのだった。覚えているだろうか?
ではマイナス1次元を積分したは、0次元の話なのか?
y=0の時だけ0次元と言える。
なぜなら、とは、そもそも指数を表すグラフだった。
従ってxが変化した時のyの値は指数、つまり次元を表している。
が示すyの値はすべて次元を表すので、0.1次元、0.01次元なども含まれている。
注意:便宜上xy軸を使っているが、虚であるマイナス1次元や、点である0次元の話なので、本来は1次元の線的性質をもったx軸もy軸も存在しない。
0乗が1である理由
グラフは次元を表すので、ちょうどy=0が0次元を表す。
y=0だけの領域においては、は0次元のグラフといえる。
y=0の時、xは1。つまり0次元の時、1。
言い換えれば、次元を表す指数が0の時、その答えは1。
つまり、何かの0乗は1だと言っている。
確かに=1に一致している。
とは点だった。点とは部分無きもので、なんとなく0のようなイメージがするが、点が1である理由はこののグラフに隠れていた。
0次元である点が1であるからこそ、である1を積分した時に、という線に変身できる。
もしも、が0なら、0を積分しても0なので次元が広がっていかない。
マイナス1次元とは?
ところで、マイナス1次元であるの反比例のグラフとは下記の形になる。
ここも注意であるが、このグラフもxy座標で書かれているが、マイナス次元の話なので、そもそもxy平面という2次元上での話ではない。
0次元の点は部分無きものだったが、マイナス1次元は、その点すらない「虚」なるものの世界の話。
曲線も本来は見えていない。
注意:便宜上xy平面を使っているので曲線は見えているが、のような2次元グラフの曲線とは全く意味が違う。
従って、マイナス1次元においては、xが変化した時のyの変化という傾きの概念もない。
そもそもマイナス1次元の話なので、0次元の点すらも表現されない。
現に、x軸との交点はない。
しかし、マイナス1次元を積分すると、となり、0次元において1という点が出現する。
そして、ちょうどy=0である0次元において、1というx軸との交点が唯一現れる。
x軸ととの交点は解なので、の時、1という解を持つ。
それが0乗が1という意味になる。
0次元なのに、1という大きさを持っている。
言い換えると、点という部分無きものなのに、1という大きさがある。
そして、1という数は、、など、分母分子が一致する限り、ほぼ0から、ほぼ無限の数値で表現できる不思議な数である。
マイナス1次元のdx変化とは?
0次元において、xが変化するたびに1という点が現れ、それが数珠つなぎのようになった。線に見えるが、0次元の話なので1次元の線にはならない。この0次元の点が積分されて初めて線という1次元の特性を持つ。
同様に考えると、マイナス1次元において、xが変化するたびに0次元においては1という点が現れることを意味している。
どのxの領域のdxという最小変化でも、0次元においては1が生じる。
、つまり、という反比例のグラフでxが変化する度に1が1つだけ出現する。1という点は数珠つなぎにはならない。
このようにマイナス1次元から0次元を考える時だけは特殊である。
我々の3次元は常に移ろいゆくので、マイナス次元においても変化があることを示唆している。
マイナス次元の変化とは何だろう?
素粒子を3次元に出現させる世界なのだろうか。
ビックバンを発生させる「ゆらぎ」の世界だろうか。
あの世のことか?
はたまた虚数の世界か。
実に不思議な世界である。