稲盛氏の売上最大、経費最少の名言がある。
会社は粗利益で生きている。*1
粗利益の公式は次のとおりだ。
粗利益↑ = 売上↑ - 原価↓
売上最大、経費最少の意味は右辺に当る。
売上最大(売上↑) - 経費最少(原価↓)
シンプルに考えればその通りだ。
しかし、経営の12箇条の上記名言だけは、独自解釈があるのでご紹介したい。
*あくまで独自解釈であるのでご注意願いたい。
世の中をシンプルな構図で捉える
世の中に2人しか存在せず、役割分担型の等価交換社会だったとする。
Aさん
Bさん
Aにとっての「売上最大」とは、Bさんに、より多く買ってもらうこと。
「経費最少」とは、Bさんから、より安く仕入れること。
Bにとっては、上記の反対だ。
さて、等価交換が成立したら、Aにとっての経費は、Bから見れば売上である。
一方、反対も然りだ。
つまり、売上ー経費=0だ。
完全等価交換社会では利益は残らない。
踏み込んで言えば、Aにとって売上を最大にする行為は、Bの経費を最大にすることであり、経費を最小にする行為は、Bの売上を最小にすることである。
Aが上記の稲盛哲学に従ってやるほど、Bは疲弊するわけだ。
利益とは付加価値創出の差
現実社会では、完全等価交換は成立しない。
そこにおいて、ミルキヅクは、利益とは、「AとBの付加価値の差」だと考えている。
その差が大きすぎると、「格差」と呼ばれるようになる。
稲盛氏は「利他の心」を大切にする。
そうであるなら、相手が自分と等価交換できる力をつけるために「利益」を使うことが「利他の心」だと考えている。
つまり、相手の購買力を自分と同じレベルまで増やしてあげるために利益を使うことが原理原則であるように思える。
そうやって、格差がなくなる状態が「和」だ。
売上最大、経費最少で格差社会が広がる!?
多くの経営者は、売上最大、経費最少で得た利益を更なる売上向上や利益率改善のために投資する。
だから、できる人とできない人の格差は増々広がる。
ベーシックインカムという概念がでてくるのも納得できる。
パラドックスだが、「利他の心」を持った人は、全力で人のために創意工夫する。
そして、そんな善意で、格差が広がっていく。
売上最小、経費最大が本質!?
本当の原理原則は、むしろ反対で、「売上最小に、経費最大」なのではないか。
「売上を最小に」というのは、自分のことはさておきという意味だ
「経費を最大に」というのは、他人の購買力が自分と同じレベルまでなるように力を貸してあげるという意味だ。
たとえば、マザーテレサは、自らを犠牲にして(売上最小)人のために尽くした(経費最大)
結果、マザーテレサのために、全世界中から、多くの寄付金と人が集まった。
この寄付金と人の労働力が利益のことだ。
こうやって集まったお金は、格差が減少する方向に働く。
売上最大、経費最小
売上最小、経費最大
みなさんは、どうお考えだろうか?
企業価値を考える参考記事
ミルキヅク
*1:(ランチェスター竹田氏の言葉)