経済は、GDPで回っている。
ビックデータだろうが、インダストリー4.0だろうが、クラウドだろうが、GDPで回っている。
日本では、1年間に500兆円、世界では7000兆円がまわっている。
GDPは、1年で倍になることはない。
給与が1年で倍になることがないのと同じだ。GDPと給与は相関関係がある。
GDPのここ10年の変動は、日本で1%前後、世界で5%ぐらいだ。
そんなGDPという血が、世界経済という人体を駆け巡っている。まず、社長はこの前提を押さえてほしい。
万物は流転する。経済も流転する。
万物は流転するとヘラクレイトスは言った。
「変化」と「対立」、そして「調和」を哲学の基礎としている。
「変化」が発生するから「対立」が生じる。
資本主義は、できる人と、できない人を明確にする。勝ち負けがはっきりしている。そんな終わりなき戦いに多くの人が疲弊している。
そうすると、この世の弱肉強食だと思ってしまう。
しかし、自然の摂理から観察する本質は、役割分担の果し合いによる相互協力だが、そのことを真に理解していない社長が多い。
だから、無用な競争が続く。
調和とは?
調和とは循環力だ。言い換えれば、できる人も、できない人も安心して暮らしていける世の中のことだ。
「僕らはみんな生きている」という相互尊重が浸透した社会。
ミルキヅクの「循環力」とは、全ての人が自らの役割を果たし、平和に暮らしている経済のバランス力のことだ。
バランス感覚を持った社長が強く必要とされる
企業は社長の意志が強く反映される。
社長の哲学が自然の摂理から外れていると、社会が疲弊する。
日本のGDPは約500兆円。ここ10年の平均成長は1%。500兆が翌年、505兆円になるイメージだ。売上が前年対比10%を掲げている社長は、粗利ベースでざっくり5%の上昇目標を掲げていることになる。
GDPで言えば、500兆円が525兆円になることだ。
日本全体でGDPは1%/年しか上昇しないのに、5倍の付加価値活動を行うことを指示したということだ。
そんな大変なことを要求していることに気づいている社長は少ない。
人間は基本怠惰で保守的が多い。だから、世の中はゆっくりと進む。
去年に比べて、5倍も付加価値を提供できる人間は少ない。日々の行動を振り返ってほしい。何人の人が、年利5%の付加価値で活動しているだろうか?
従業員の成長のために高い目標を掲げる社長もいるが、分配が伴っていない最悪のケースもある。GDPの循環をわかっていない。
6割は個人消費だ。社員モチベーションに関係なく、分配するのが良い。必要以上の社内留保は、人体で言えば脂肪であり、血が滞る原因となる。
自然界に勝敗はない。弱肉強食VS共存共栄
世の中には、競争したくても、物理的、肉体的、精神的な障害で、できない人もいる。
国は、いろいろな人の価値観を認めた上で、弱者の生活を最低限保障し、GDPが回るように手助けしてあげることが大事だが、経済を循環させる一番のポイントは社長の哲学だ。
自然界に勝ち負けという概念は存在しない。
人間は生かされている。
万物の頂点に君臨し、あらゆる生命の命を譲り受けている。
「食べる」とはそういうことだ。
自然界の法則は、他者貢献。命は他を生かすために使われる。強い者が生き残るのではなく、弱い者が自らの命を譲っていることに、強い者は謙虚に理解しているだろうか?強い者は、すべて己の努力だと過信する。
人は、一人では何もできない。
あらゆるものが存在して、複雑に絡み合うからこそ、うまく循環するのだ。
僕らはみんな生きている。
会社も同じだ。競争で生き残ることが正義ではない。競争社会だという暗示にかかってはいけない。
社長は自然の摂理を良く理解して経営を行ってほしい。
売上最大・経費最少で本当に良いのか?
GDPを支配する者は誰?
会社は何のためにある?
お金とは何か?
ミルキヅク